AIモデルが設計した小型タンパク質を実験室で評価し、15種類の標的のうち14種類に結合する設計が確認された。設計条件により、個々の候補が結合した割合は22.6~35.1%だった。
AI設計を2社の実験で結合判定
標的タンパク質へ強く結合するよう設計した小型タンパク質を、ミニバインダーと呼ぶ。Anthropicによると、Claude Opus 4.8とMythos Previewが評価可能な15種類の標的を扱い、そのうち14種類で結合する設計が得られたという。
Adaptyv BioとTwist Bioscienceは、生成された設計を実際に製造し、実験室で結合を評価した。計算上の構造予測だけで成否を決めず、物理的に作製したミニタンパク質と標的との相互作用を判定する工程が組み込まれた。
全標的の同時処理と標的別処理を比較
全標的を一つのセッションで同時に扱う方式では、48時間の実行後にMythos Previewが26.7%、Claude Opus 4.8が22.6%のヒット率を記録した。ヒット率は、生成した設計のうち実験で結合体と判定された割合を表す。
一方、Mythos Previewが標的を一つずつ扱った複数の24時間セッションでは、全体のヒット率が35.1%に達した。Anthropicが一般的なタンパク質設計キャンペーンの水準として示す10~15%と比べ、同時処理と標的別処理のどちらも高い割合となった。
親和性まで測り候補の強さを選別
結合の有無に加えて、実験では標的をどれほど強く捉えるかを表す親和性も評価された。少なくとも6種類の標的で高親和性の結合体が得られ、少なくとも4種類では報告済みの最良値と同等以上の親和性を示す設計が確認された。
設計キャンペーンは、最初のプロンプトで必要な情報を与えた後、人間の関与を最小限にして進められた。全標的を同時に扱う方式には最大1万2500 NVIDIA H100時間、標的別の方式には各標的につき最大2500 NVIDIA H100時間が割り当てられ、専用のタンパク質設計モデルやフォールディングモデルが使われた。
1440設計を測定値と工程記録に接続
公開されたデータセットには、2つのAIモデルが16種類の標的に対して設計した、50~120残基のde novo(新規)ミニタンパク質1440件が収録された。このうち成熟型GDF-8向けの120設計は、抗原の凝集と測定面への非特異的な結合によって実験結果が不確定となり、結合体数の集計から除かれた。
残る15種類の標的では、1320設計のうち354設計が、2社の評価を統合した判定で結合体とされた。各設計には、両社の結合判定と速度論データ、未加工のセンサーグラム、複数手法による構造予測、設計工程の記録が関連付けられている。