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有人月飛行で月の裏側の微弱な衝突光を5回観測

この記事のポイント

  1. 実現したこと

    有人月飛行Artemis IIの飛行士は、月から約4万6000マイル離れた宇宙船から微弱な衝突光を捉えた。

  2. 実現の仕組み

    月が太陽を隠す約1時間の皆既日食が、岩片の衝突による微弱な光を見つけやすい暗さを生んだ。

  3. 得られた結果

    NASAの月科学担当者は宇宙線や宇宙船からの反射を除外し、衝突光の目撃を確認した。

  4. 従来との違い

    飛行士が収集した月科学データ一式が公開され、科学者と一般の人々が研究に利用できるようになった。

宇宙船の窓越しに見た皆既日食中の月。暗い月面に小さな岩片が近づき、針先ほどの淡い光を放っている。
AI生成画像

月の裏側で、岩片の衝突による極めて微弱な閃光が5回観測された。有人月飛行Artemis IIの飛行士が皆既日食中に捉えた光を、NASAの月科学担当者が別の光源を除外して確認した。位置の注記を含む月科学データ一式も公開された。

月から約4万6000マイル離れて捉えた光

NASAによると、有人月飛行Artemis IIの飛行士は、月面で針先のように光る極めて微弱な閃光を5回目撃した。観測時、有人宇宙船Orionは月から約4万6000マイル離れていた。

月科学担当者は科学観測計画の一環として、岩片の衝突による小さな閃光を探すよう飛行士に求めていた。3人が捉えた閃光の位置は、月が太陽を隠す様子を描いたタブレット上の図に手書きで残された。

皆既日食の暗さが微弱な閃光を浮かび上がらせる

閃光の観測は、月の裏側を飛行する際に予定されていた通信途絶中に行われた。この飛行中に約1時間続いた皆既日食が、かすかな光を見つけるのに適した暗い条件を生んだ。

衝突光を生むのは、月面に飛び込む岩片だ。月には飛来する岩片を減速させたり燃え尽きさせたりする大気がなく、岩片は月面へ直接衝突する。

別の光源を除外し、岩片の大きさを推定

NASAの月科学担当者は、宇宙線や宇宙船からの反射という別の原因を除外した。そのうえで、飛行士が目撃した光を月面の衝突光として確認した。

科学者は閃光の明るさから、衝突した岩片の大きさをそれぞれ最大でも数インチ程度と推定した。岩片は小さくても時速数千マイルで移動しており、衝突時には飛行士が視認できるだけの光を生んだ。

位置の注記を含む観測記録を研究へ開放

飛行士は写真だけでなく、口頭での観測、描画、注記を組み合わせて月の科学観測記録を作成した。NASAは月科学データ一式を公開し、科学者と一般の人々がさらに研究できるようにした。

NASAは、月の裏側で衝突過程を直接捉えた観測を、小規模な衝突がどれほど頻繁に起きるかを理解するためのデータと位置づけている。その頻度の把握は、将来の月面居住施設やインフラに対する長期的なリスク評価に必要となる。