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火星探査車キュリオシティ、クレーター底から標高差1kmに到達

この記事のポイント

  1. 実現したこと

    火星探査車キュリオシティが、登坂先からゲール・クレーター底と遠方の縁を見渡す画像を撮影した。

  2. 実現の仕組み

    搭載カメラMastcamの画像95枚を組み合わせ、広い眺めを一つのパノラマにした。

  3. 得られた結果

    パノラマには前景の砂の尾根と、探査車の右前輪が残した溝が写っている。

  4. 従来との違い

    シャープ山の下部斜面を登り続けた探査車が、クレーター底から標高差1kmの地点まで到達した。

左端にカメラマストを備えた火星探査車の一部が見え、砂の尾根を横切る右前輪の跡が、遠方の縁を望む広いクレーター底へ続く手描き風イラスト。
AI生成画像

火星探査車キュリオシティが、ゲール・クレーター底から標高差1kmの地点に到達した。8月26日の到達後、9月5日には底部を見渡す画像を撮影。95枚からなるパノラマに、遠方のクレーターの縁と足元の砂の尾根を収めた。

シャープ山の登坂で標高差1kmへ

NASAの火星探査車キュリオシティは、2026年8月26日にゲール・クレーター底から標高差1kmの地点へ到達した。探査車は2014年から、クレーター内にある高さ約5kmのシャープ山の下部斜面を登っている。

登坂を続ける探査車は、9月5日にクレーター底を振り返る眺めを撮影した。その画像には、底部の向こうに遠方のクレーターの縁も写っている。

95枚を組み合わせ、地球の照明条件に色を調整

この眺めを広い範囲で捉えたパノラマは、搭載カメラMastcamで撮影した95枚の画像から構成される。画像の色は、地球上の照明条件で人の目に見える色に合わせて調整されている。

Mastcamによるパノラマでも、撮影時の見え方を残す処理を選ぶ場合がある。8月11日に撮影した朝のパノラマは、地球へ送信した6枚の画像を接合し、早朝の見え方を保つために通常のホワイトバランス処理を行わずに仕上げられた。

砂の尾根と右前輪の溝を捉える

9月5日のパノラマでは、砂の尾根が前景を横切っている。画像の右側には、探査車の右前輪が残した溝も写っている。

NASAは、この尾根内部の層構造に加え、砂粒の大きさと組成が形成過程を調べる手掛かりになるとしている。

硫酸塩・炭酸塩の地層を進み、ヤルダンの基部を目指す

登坂先には、風に削られた岩地形「ヤルダン」の層がある。この層はシャープ山の北西部に約16kmにわたって広がっている。

NASAの計画では、探査車は今後約1年の大半を、硫酸塩と炭酸塩に富む地層の走行に費やす。ミッション科学者は2027年中にヤルダンの基部へ到達し、ロボットアームを使って調査することを目指している。