Quantum

量子計算機4社が計画審査を通過し実機検証段階へ

この記事のポイント

  1. 実現したこと

    量子計算機の4社が、設計どおりに構築・運用できるかを政府と検証する最終段階に選定された。

  2. 実現の仕組み

    政府評価チームが各社の開発と並行し、構成要素、サブシステム、アルゴリズムを評価する。

  3. 得られた結果

    中性原子、シリコンCMOSのスピン量子ビット、超伝導プロセッサー、捕捉イオンの4方式が検証対象に加わった。

  4. 従来との違い

    先行する2社に今回の4社が加わり、最終段階の参加企業は6社になった。

量子計算の4方式を評価する作業台。中性原子の列、スピン量子ビットを表すシリコンチップ、極低温装置内の超伝導プロセッサー、捕捉イオン装置が並ぶ。
AI生成画像

量子計算機の4社が、研究開発計画の審査を経て、実機・システムを検証する最終段階に進んだ。量子計算機評価計画QBIでは、政府評価チームが各社と協力し、計算価値が費用を上回るシステムを設計どおりに構築・運用できるかを確かめる。

費用を上回る計算価値を実現できるか

米国防高等研究計画局(DARPA)は、量子計算機評価計画Quantum Benchmarking Initiative(QBI)の最終段階Stage Cに、量子計算企業のAtom Computing、Diraq、IBM、IonQを選定した。4社は、提案するシステムの構築と運用を政府評価チームと検証する段階へ進む。

QBIが目標とするutility-scaleは、計算によって得られる価値が費用を上回る水準を指す。評価の目的は、この水準の量子計算機を2033年までに実現できるかを確かめることだ。

技術的リスクと試作機を1年間かけて審査

最終段階に先立つStage Bでは、1年間にわたり各社の詳細な研究開発計画が審査された。審査対象には、解決すべき技術的リスクと、そのリスクを低減するための方策が含まれる。

計画の審査は、進展を示すためにどのような試作機が必要かにも及ぶ。今回の4社は、この研究開発計画の審査を経てStage Cに進んだ。

構成要素からシステムの運用まで検証する

Stage Cでは、政府評価チームが各社と協力し、提案されたシステムを設計どおりに構築し、意図どおりに運用できるかを検証する。今回確定したのは、この検証段階への進出であり、utility-scaleでの動作実証は検証の対象となる。

DARPAが定めるStage Cの評価は、完成した計算機だけに限られない。独立検証・妥当性確認チームが、構成要素、サブシステム、アルゴリズムを開発と並行して評価する。

異なる4方式が加わり最終段階は6社に

今回加わった4社は、異なる量子計算方式を採る。Atom Computingは拡張可能な中性原子の配列、DiraqはシリコンCMOSのスピン量子ビットを用いる。IBMはモジュール式の超伝導プロセッサー、IonQは捕捉イオンを用いる方式で選定された。

この4社が加わる前には、量子計算企業のMicrosoftとPsiQuantumが、先行する評価計画US2QCを経てStage Cに進んでいた。今回の選定によって、最終段階の参加企業は6社になった。