コーヒーロボットEllaのAI処理が、独立GPUを使う構成からCPU・GPU・NPUを統合したチップへ移った。視覚・言語・動作の処理に加え、役割の異なる3種類のAIエージェントをロボット上で動かす。
Ellaの計算構成を独立GPUから切り替え
ロボット開発企業Sensory AIのコーヒーロボットEllaは、従来、Intel製CPUと独立GPUを併用していた。Sensory AIは内部の計算構成をIntel Core Ultra Series 3へ完全に切り替え、独立GPUを使わない構成にした。
この変更の対象は、注文への応答だけではない。ロボットが周囲を捉え、言葉を処理し、アームを動かすまでの計算が、次の統合チップ上でつながる。
統合チップで視覚・言語・動作を処理
Intel Core Ultra Series 3はCPU、GPU、NPUを一つのシリコンに統合する。この構成により、Ellaは視覚・言語・動作の処理を追加のグラフィックスカードなしで実行する。
Intelは、ロボット上で動くAI処理では、遠隔のクラウドサーバーへデータを送る際の遅延も生じないとしている。ロボット内部の計算資源が、そのまま複数のAIエージェントの実行先になる。
3種類のAIエージェントが役割を分担
Ellaでは、3種類の専用AIエージェントを同時に動かせる。各エージェントは、処理に適したチップ内の部分を使う。
Avatar Agentは顧客とのやり取りを担い、Ella Agentは店舗単位の営業パターンを学習する。Guardian Agentはシステムの状態について高度な推論を担当し、接客、店舗運営、機体の状態を分けて扱う。
カップの取り出し不良に対応する制御経路
Intelが示す動作例では、カップが重なって取れない場合、Avatar Agentが顧客に状況を知らせ、Guardian Agentが復旧方法を判断する。顧客への応答と機体の状態判断は、別々のエージェントが受け持つ。
その判断を受けて、Sensory AIの決定論的な制御機構がロボットアームへ復旧動作を指示する。AIエージェントの判断を、アームの実際の動作へ渡す構成だ。