EU加盟15カ国が、各国の軍による軌道上の物体・活動データの共同利用に向け、仕組みの設置に合意した。欧州防衛機関が運営を担い、初期運用能力の確立は2029年初めを目指す。
15カ国が軌道上の物体・活動データの共有へ合意
軍が軌道上の物体と活動に関するデータを利用・共有できるようにする仕組みについて、EU加盟15カ国が9月25日に設置を正式合意した。欧州防衛機関(EDA)が運営を担い、各国の軍が共通の情報を利用できる状態を目指す。
この情報は、画像取得、航法、通信に使う衛星の周囲で何が起きているかを把握するために必要となる。EU各国の軍は、衛星を衝突や干渉から守る必要があるとしている。
軌道情報へのアクセスには加盟国間で差がある
現状では、宇宙の状況を把握するための情報へ十分にアクセスできる加盟国は、フランス、ドイツ、スペイン、イタリアなど一部に限られる。ほかの加盟国は、米国や商用事業者から得る情報に大きく依存している。
新たな仕組みは、このアクセスの差を縮めるために設けられる。ただし、合意した段階で各国の軍による共同利用が始まったわけではなく、データへのアクセスを整える作業がこれから進む。
各国の需要をまとめて従量利用方式を構築
EDAは各国の衛星関連需要をまとめ、長期の予算約束を伴わない従量利用方式を提供する構想だ。参加国は、共同の仕組みを通じて必要な軌道情報へアクセスする形を目指す。
初期事業規模は約5000万ユーロと見込まれている。参加枠は今回合意した15カ国に限定されず、ほかのEU加盟国も加わることができる。
供給者調査から契約を経て2029年初めの運用を目指す
供給者を評価する調査は2026年12月に終わる予定だ。その結果を踏まえ、EDAは2027~2028年ごろに加盟国との事業取り決めを結び、その後に枠組み契約を始めることを目指す。
初期運用能力の確立目標は2029年初めに置かれている。軌道情報の共同利用は、この調査と契約を経て運用段階へ進む計画だ。