屋根が太陽光をどれだけ反射するかを建物単位で示すデータが、9カ国の50超の都市を対象に公開された。衛星画像を融合して30cm解像度の反射率地図を作り、公開アプリから屋根の暑熱対策を検討するために利用できる。
10mの観測に30cm画像の細部を組み合わせる
Googleの推定手法は、地球観測衛星Sentinel-2のデータと、商用衛星Airbus Pléiades Neoの30cm解像度の画像を融合する。Sentinel-2から得られる反射率推定は10m解像度で、個々の屋根を識別するには粗いため、商用画像の空間的な細部を組み合わせる。
融合には機械学習と、観測値を補正する放射校正を用い、Sentinel-2の放射測定の正確さと商用画像の細かな構造を取り込む。異なる波長で取得したデータを組み合わせることで、都市の各画素について波長別の反射率を再構成する。
航空機測定との比較で反射率の誤差を検証
Googleの検証では、融合して作った30cm解像度の反射率地図を、米国コロラド州ボルダー上空の航空機測定と比較した。比較基準には、多数の波長帯を観測するハイパースペクトル測定を用い、推定値と基準値のずれを表す二乗平均平方根誤差(RMSE)は0.04だった。
Googleは、この建物単位のデータを使えば、屋根面積の大きい建物について改修の優先順位を検討できるとしている。対象となるクールルーフは屋根の反射率を高める暑熱対策で、建物が吸収する太陽エネルギーを減らす。
14都市の試行から9カ国の50超の都市へ
Googleは2024年、14都市で屋根の反射率データを提供する試行を実施した。今回の公開では対象を9カ国の50超の都市へ拡大し、建物単位のデータを利用できる地域を増やした。
対象には、欧州のロンドン、アテネ、バルセロナと、ブラジルのリオデジャネイロ、サンパウロが含まれる。米国ではロサンゼルス、オースティン、ニューヨークなどの屋根の反射率を確認できる。
地域の集計から建物を探し、データを持ち出す
データ閲覧用のHeat Resilience Earth Engine Appは一般公開されている。屋根の反射率を建物の重心位置に表示し、ズームに応じて国勢調査区の集計から個々の建物へ切り替えることで、低反射率の建物を探すことができる。
アプリは反射率の現状を把握し、時間に伴う変化を監視する機能も備える。高解像度データをダウンロードし、地域での分析や政策立案に利用することもできる。