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国交省の発注図書をAIで横断照合する開発・検証が始動

この記事のポイント

  1. 実現したこと

    国交省の発注図書の不整合検出を支援するAIエージェントが、共同受託による開発・検証の対象になった。

  2. 実現の仕組み

    視覚言語モデルと大規模言語モデルを組み合わせ、図面・数量総括表・特記仕様書を形式の違いをまたいで解析する計画だ。

  3. 得られた結果

    技術提案審査ではAIの役割を事実確認と整理に定め、評価と最終判断は審査担当者が担う方針が決まった。

  4. 従来との違い

    国交省の発注・審査支援事業は、Preferred Networksとデロイト トーマツによる共同受託が成立し、開発・検証段階に入った。

図面、数量総括表、特記仕様書をAIで横断解析し、文書間の不整合を発注段階で見つける開発・検証が始まる。国土交通省のインフラ調達を対象に、技術提案の事実確認も支援する。AIの出力には根拠を添え、人が確認して判断する設計とする。

別々に更新される図面・数量・仕様を照合する

国土交通省の発注業務では、図面・数量総括表・特記仕様書が別々の形式で作成・更新される。AI開発企業のPreferred Networks(PFN)によると、修正の反映漏れで生じる文書間の不整合が、公告後の質問や修正への対応を重くしている。

この照合を支援するAIエージェントは、視覚言語モデル(VLM)と大規模言語モデル(LLM)を組み合わせる計画だ。図面のPDF等、数量総括表のExcel、特記仕様書のWordを横断的に解析し、相互の整合性を検証する。

不整合の候補提示から審査資料の整理へ

整合性検証エージェントは、発注段階で不整合を検出し、その候補を提示する想定だ。PFNは、この処理によって修正作業や質問対応の負荷を減らすことを目指す。

技術提案審査では、別の支援エージェントが業務実績等の事実確認と、入札要件に対する提案内容の照合を担う計画だ。評価観点ごとに関連箇所を提示し、公平な審査に向けて企業名・個人名等を隠すマスキングの候補も抽出する。

根拠付きの出力を職員の判断につなぐ

審査支援の役割は、判断に必要な事実の確認と整理に置く。AIを技術提案の評価そのものには介入させず、審査担当者が最終的な判断を行う方針だ。

この役割分担を支えるのが、人の確認と判断を処理に組み込むHuman-in-the-Loop(HITL)型の設計である。AIの出力には根拠ページ、該当箇所、信頼度、人の確認が必要なことを示す要人確認フラグを付ける方針で、職員が出力と根拠を確認する構造にする。

検証データと業務の判断基準を開発へ渡す

PFNと、行政業務の分析・設計を担う合同会社デロイト トーマツは、この発注・技術提案審査を支援する検証業務を共同受託した。国土交通省が業務知見と検証データを提供し、PFNがAIエージェントの開発・実証を担う。

デロイト トーマツは、実務の業務分析と判断基準の構造化を行い、AIを適用するユースケースを選定する。業務フローの再設計、評価・ガバナンス設計、実装ロードマップの策定も担当する。

両者は2027年3月の業務完了に向け、段階的に実証検証を進める予定だ。現場からのフィードバックを反映しながら、実務で利用するAI支援の具体化を進める。