定量金融研究のAIエージェントが、初期の評価基準に照らして結果を判断し、分析方針を修正しながら作業を続ける。Jump TradingはAIモデルGPT-6 Astraを導入し、複数のデータ源を扱う長時間の研究へ利用を広げている。
仮説検証まで広がったエージェントへの委任
定量取引企業Jump TradingでLLM研究開発を率いるLucas Bakerによると、GPT-6 Astraの導入によって、AIエージェントへ任せられる仕事は日常的なコーディングから新しい仮説を検証する定量研究まで広がった。開発作業でも、単発のコード断片を作ったり小さなバグを見つけたりする使い方から、コードベースやサービス全体の開発へ進んでいる。
研究者は委任する問題と作業環境に加え、結果の品質や重要性を評価する方法を定める。そのうえで、一つまたは複数のエージェントに対し、分析の重点や次に実行する仕事をリアルタイムで指示できる。
初期の評価基準で結果を判断し、次の分析へ進む
Bakerによると、長時間のタスクを実行するシステムは、得られた結果を初期提案で合意した基準と照合する。この判断を使って取り組みの方向を自ら修正でき、変更の各段階で人が結果を分析する必要が減ったという。
エージェントは実用的な変更を見つけるだけでなく、それらを組み合わせて改善を積み重ねられるとBakerは説明している。個々の変更の発見から、その評価と組み合わせまでを一つの長時間タスクで進める使い方になっている。
数日間の分析でも人が中間結果を確認する
Bakerは、複数のデータ源から情報を集め、何が重要かを判断し、情報同士の関係を整理する数日間のタスクで、包括的な分析を作成できるようになったと述べている。対象となる作業には、データの取得だけでなく、その内容の選別と関連付けも含まれる。
こうした長時間の作業にも、タスクを定めた人との定期的なやり取りが含まれる。人は取得するデータや実行時間、重要性の基準に加え、中間結果が妥当かどうかを確認する。
研究の出力を売買へ渡す前にレビューする
Jump Tradingは、AIが生成した出力を人が最終的に検証し、受け入れるかどうかを判断する工程を設けている。Bakerは、この最終レビューを、AIへ作業を委ねるうえで信頼を持てる理由として挙げている。
エージェントが売買シグナルを生成した場合も、その出力は他のシグナルと同様に範囲を限定してレビューされる。レビューを受けたシグナルは、厳格に管理された執行環境で他のシグナルと統合される。