AI計算基盤向けの10MW級遠心冷凍機の試験機が米国へ出荷された。この冷凍機を中核とするモジュール冷却設備は、ポンプや熱交換器、制御機器を一体の構成にまとめ、商用展開に向けて米国の安全・規制認証手続きを進めている。
10MW級の試験機を米国へ送り出す
三菱重工業は、高密度AI計算基盤向けの10MW級遠心冷凍機の試験機を米国へ出荷した。試験機は7月ごろにジョージア州のブランズウィック港へ到着する予定で、今回完了した段階は米国向けの出荷である。
冷凍機と周辺機器をモジュールにまとめる
出荷した遠心冷凍機は、三菱重工業が開発を進めるモジュール冷却設備Modular Chiller Plant(MCP)の中核を担う。冷凍機にポンプ、熱交換器、制御機器を組み合わせ、あらかじめ設計したモジュール構成へ統合する。MCPは、この構成によって現地での機器統合作業を減らし、冷却設備の拡張を支える設計となっている。
電力効率と水利用に対応する冷却構成
三菱重工業は、MCPの構成がフリークーリング運転の活用と、電力使用効率を示すPUEの改善を可能にするとしている。また、閉ループ構成を採用し、大規模データセンターで課題となる水不足と、水使用効率を示すWUEに対応する設計と位置付けている。これらは冷却設備の構成に基づく性能上の狙いである。
液冷AI設備への展開に向けて認証を進める
MCPは、NVIDIAのAI計算基盤向けプラットフォームNVIDIA DSXに沿った冷却構成と、拡張可能な液冷AI設備を支えるよう設計されている。商用展開に向けた手続きは、UL認証を含む米国の安全・規制認証の段階にある。三菱重工業は、今回の遠心冷凍機の出荷が、その認証準備に寄与するとしている。