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三菱電機、量子コンピューター大規模化へレーザー制御と低温増幅を開発

この記事のポイント

  1. 実現したこと

    多数の量子ビットを制御するレーザーシステムの研究開発が、NEDOの支援対象に採択された。

  2. 実現の仕組み

    工作機械向けレーザー技術で高出力・高安定な光源を目指し、FPGAなどで低遅延制御を開発する。

  3. 得られた結果

    二つの研究開発では、産業技術総合研究所を含む量子コンピューター研究機関と連携して技術検証を進める。

  4. 従来との違い

    超伝導量子コンピューター向けの超小型・多チャネル・低雑音増幅モジュール開発も、NEDOの支援対象になった。

量子ビットの制御数を増やすため、レーザー制御系と極低温で動作する増幅モジュールの研究開発が始まる。三菱電機はNEDOの採択を受け、中性原子、イオントラップ、超伝導の3方式の大規模化に取り組む。

誤り訂正を支える量子ビット数の拡張

量子ビットは雑音の影響を受けやすく、三菱電機は、誤り訂正には複数の量子ビットを組み合わせる技術が必要だとしている。そのため、100万量子ビット規模への拡張を課題に挙げる。この数字は開発済みの規模ではなく、大規模化に向けた課題の水準である。

その拡張に向け、多数量子ビット制御用のレーザーシステムと、大規模超伝導量子コンピューター用の増幅モジュールの開発が、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の公募で採択された。三菱電機は、この採択を受けて二つの研究開発を開始する。

原子とイオンを操る光源と低遅延制御

中性原子方式とイオントラップ方式では、レーザーが中性原子やイオンを制御する。この二つの方式に向けた光源には、三菱電機が持つ工作機械向けのレーザー技術を活用し、高出力と高い安定性を目指す。

光源の開発に加え、FPGAなどの論理デバイスを使う低遅延制御技術も開発する。FPGAはプログラムによって動作を変更できる集積回路であり、今回の計画ではレーザー制御系を支えるデバイスとして用いる。

超伝導方式には極低温対応の増幅モジュール

超伝導方式では、量子ビットの制御にマイクロ波を使い、その制御は極低温環境で行う。原子やイオンを扱うレーザー制御系とは異なり、この方式には低温環境に対応する増幅モジュールを開発する。

増幅モジュールには三菱電機のマイクロ波IC技術を活用する。開発の対象は、極低温で動作し、超小型、多チャネル、低雑音という特性を備えるモジュールである。

3方式の制御数拡大を研究機関との連携で検証

レーザー制御系と増幅モジュールの開発は、それぞれ制御できる中性原子、イオン、超伝導量子ビットの数を増やすことを目指す。大規模化に必要なシステムと部品を、量子ビットの方式に応じて開発する計画である。

三菱電機は、量子コンピューターを研究する産業技術総合研究所などと連携し、二つの研究開発で技術検証を進める。制御数の拡大は、この開発と検証を通じて目指す能力である。