工場の脱炭素計画を自動作成するAIに、設備技術と実行ノウハウを組み合わせる提携が始まった。三菱重工業とGreen AI社は利用契約を締結し、費用対効果を示す削減ロードマップの作成から実行までを中小企業向けに支援する。
排出状況から対策を選び、削減計画を作る
省エネ・CO₂削減システム「Green AI」は、工場ごとの排出状況を基に対策を選び、削減計画を自動作成する。開発・提供する脱炭素支援企業のGreen AI社によると、対策の選定にはCO₂削減効果と経済性の評価を用いる。
選定の基になる独自データベースには、約5,700件の脱炭素・省エネ対策が収録されている。システムはこの対策群を参照し、各拠点や工場の状況に応じた計画を組み立てる。
費用対効果を示す計画に設備技術を組み合わせる
この計画作成システムについて、三菱重工業とGreen AI社は利用に関する提携契約を締結した。契約に基づく協力では、CO₂削減対策の費用対効果を示す、具体的で分かりやすい削減ロードマップを作る。
両者は、そのロードマップに対策データベースと三菱重工業の幅広い製品・技術を組み合わせる計画だ。削減対策を検討する企業に、計画と結び付いた選択肢を提供する。
自社工場の費用評価と実行ノウハウを使う
三菱重工業は、自社工場のCO₂削減に関する意思決定でMAC曲線を利用してきた。MAC曲線は、各削減対策の費用対効果を一覧化して可視化するもので、工場で取り組む対策の判断に使っている。
工場では、自社の製品・技術を使ったCO₂削減を通じて実行ノウハウも蓄積してきた。提携では、このノウハウと設備技術を、AIが作成した削減ロードマップの実行支援に用いる。
上流工程の中小企業へ省エネ支援を展開する
実行ノウハウの展開先は、製造業の上流工程を担う中小企業だ。三菱重工業は、金融機関の商工中金との共同枠組みを通じ、自社工場で蓄積した脱炭素ノウハウを広く提供する方針を示している。
三菱重工業とGreen AI社は、この支援でエネルギー効率の改善による省エネの実現を最優先に置く。費用対効果のあるCO₂削減を共通方針として、対策の検討と具体的なロードマップ作成を支援する。