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人の移動データを加え、AIによる店舗属性の予測を改善

この記事のポイント

  1. 実現したこと

    場所表現を学習する手法ME-POIsは、学習に使っていない場所の営業時間や価格帯などを予測する評価に利用できる。

  2. 実現の仕組み

    到着・出発・滞在の時系列をベクトルに変換し、言語モデルが生成する場所のベクトルと整合させる。

  3. 得られた結果

    Googleの2都市での評価では、学習に使っていない場所の訪問意図、価格帯、混雑度の予測が改善した。

  4. 従来との違い

    次の訪問先を予測する対象として使われてきた移動パターンを、場所そのものを表す入力特徴へ組み込んだ。

明るい街区を斜め上から描いたイラスト。飲食店や市場、公園の舗道や建物に色の帯が繰り返し現れ、近くの店舗にも同じ模様が見える。
AI生成画像

人がいつ訪れ、どれほど滞在するかをAIの場所表現に加えることで、店舗などの属性予測が改善した。場所表現を学習する手法ME-POIsは、匿名化・集計済みの移動データをテキスト情報と統合する。Googleは、学習に使っていない場所でも予測の改善を確認したとしている。

到着・出発・滞在の時系列を場所の特徴にする

Googleが開発した場所表現の学習手法Mobility-Embedded POIs(ME-POIs)は、店舗や公園などの地点を、テキストと移動情報を合わせた数値ベクトルで表す。公開ベンチマークに含まれる匿名化・集計済みの移動パターンを自己教師あり学習に取り込み、名前や業種に加えて、実際の利用のリズムを表現する。

移動情報の処理では、時間エンコーダーが到着する時間帯、出発の傾向、滞在時間の時系列を密なベクトル空間へ写像する。生成するベクトルは、1年間の周期と曜日ごとの訪問パターンを捉える。従来の地理空間AI研究で主に次の訪問先の予測に使われてきた移動情報が、この手法では場所自体の特徴を作る入力になった。

訪問記録の少ない場所へ周辺のパターンを伝える

場所ごとの移動ベクトルを作る際、訪問記録が少ない地点には、周辺にあるデータの豊富な地点の集計済み訪問パターンを統計的に伝播させる。これにより、対象地点に蓄積された記録だけに依存せず、周辺地域の利用状況を場所表現に取り込む。

伝播は、すぐ近くの通り、街区、さらに広い近隣地域という複数の空間スケールで行う。周辺のパターンを取り込んだ移動ベクトルが、次にテキスト由来のベクトルと組み合わせる情報になる。

言葉の意味と利用時間帯を同じ表現へ組み込む

移動情報から生成したベクトルは、言語モデルから得た場所のベクトルと整合させる。学習では両者のコサイン類似度を最大化し、テキストが示す場所の意味と、訪問パターンが示す利用状況を結び付ける。

例えば、テキストに含まれる飲食店という意味に、昼食時に利用されるのか、深夜に利用されるのかという時間帯の情報を加える。統合表現は、場所の説明文を残しながら、その場所がどのように利用されるかも表す。

未学習の場所で価格帯や混雑度の予測を評価

Googleは、ロサンゼルスとヒューストンを対象に、一部の場所で表現を学習し、学習に使っていない場所の属性を予測する実験を行った。評価対象は、開店・閉店時刻、価格帯、恒久的な閉店、訪問意図、混雑度の5課題だった。

訪問意図の分類では、場所に対する集計済みの検索・経路案内への関心を人気の代理指標として扱った。Googleの評価では、テキストモデルに移動情報を統合することで、未学習の場所における訪問意図、価格帯、混雑度の予測が改善した。