仙台市のごみ焼却施設・松森工場で、排ガスを再循環させる燃焼制御と、蒸気使用量を減らす灰除去方式を導入した。改良を担当したMHIECによると、ボイラーの熱効率と発電能力が向上し、年間CO₂排出量を12.1%削減した。
1日600トンを処理する焼却炉の基幹設備を更新
松森工場は、処理能力が1日200トンのストーカ式焼却炉を3基備えるごみ焼却施設だ。ストーカ式は耐熱性の火格子の下から空気を送り、ごみを押し上げて混ぜながら焼却する方式で、3基の合計処理能力は1日600トンとなる。
三菱重工グループの環境設備事業会社MHIECは、この施設で2021年度から2025年度にかけて実施した基幹設備改良を完了した。15年以上の運転で老朽化した主要設備を更新し、燃焼から燃焼ガスの冷却、排ガス処理までの設備を改良した。
排ガスを燃焼室へ戻し、低空気比燃焼と組み合わせる
燃焼側に導入したのは、燃焼制御システムEGR-PLUS®だ。排ガス再循環技術のEGRを使い、焼却炉から出た排ガスを燃焼室へ戻すことで、完全燃焼を促すとともに窒素酸化物の排出を減らす。
この燃焼制御システムは、排ガス再循環に低空気比燃焼を組み合わせる。空気比は、実際に送る空気量を焼却に理論上必要な最小空気量で割った値であり、MHIECによると、このシステムの導入によって松森工場のボイラーの熱効率が向上した。
ボイラー管の灰を蒸気から圧力波で落とす方式へ
ボイラー側では、管に付着した灰を除去する装置の一部を、従来の蒸気式から圧力波式へ置き換えた。圧力波式は、メタンと酸素の混合気を点火し、ノズルから燃焼室へ噴射する。
この噴射によって生じる圧力波が、管に付着した灰を崩す。同時に管表面を微振動させ、灰を除去する仕組みだ。
灰除去の蒸気消費を減らして発電へ回す
MHIECによると、灰除去方式の変更によって灰を落とすための蒸気使用量が減り、発電へ回す蒸気量が増えたことで、発電能力が向上した。燃焼制御の導入などを含む今回の改良全体では、年間CO₂排出量を12.1%削減し、当初の削減率目標を上回ったとしている。