地球観測衛星Sentinel-3Cが初めて光学画像と高度測定値を取得し、海面とグリーンランド氷床の高さが参照値と整合した。2種類の観測機器の初期性能を確かめる結果で、運用開始に向けた調整・確認はさらに5か月続く予定だ。
21波長帯で陸と海の色を捉える
地球観測衛星Sentinel-3Cは、海洋・陸域色観測器と合成開口レーダー高度計から初めて画像と測定値を取得した。欧州宇宙機関(ESA)が公開した光学画像は、9月30日のイタリアとカナダ北極諸島、9月29日のカリブ海を捉えている。
海洋・陸域色観測器は、400~1020nmの範囲を21の波長帯で観測する。各波長帯は海色、植生、大気補正の測定要件に合わせてあり、全測定の空間分解能は300m、観測幅は1270kmという仕様だ。
レーダー高度計の海面測定を既存データと比較
光学観測器が色を捉える一方、合成開口レーダー高度計は高さを測定する。高度計はKu帯とC帯の2周波数を使い、合成開口処理後には衛星の進行方向で約300mの分解能の測定値を提供する。
ESAは、大西洋と地中海で得た海面高度を、海洋情報サービスのCopernicus Marine Serviceが複数衛星から作成する海面高度偏差と比較した。この比較から、高度計は良好に動作し、既存の測定値と同程度の結果を示したと評価している。
氷床の測定軌跡も参照標高モデルと一致
同じ高度計は、海面に加えてグリーンランド氷床の高さも測定した。9月30日から10月4日に取得したデータについて、ESAは全測定軌跡が参照用の数値標高モデルとよく一致したと評価している。
氷床表面の高さを継続的に測ることは、氷床の氷損失を追跡する手段となる。氷床から失われる氷は海面上昇に寄与するため、その表面高度の変化が追跡対象になる。
運用開始までの確認を経て長期観測へ
ESAは、運用開始に向けて機器の調整・確認を行うコミッショニングを進めており、完了までさらに5か月かかるとしている。完了後には、高度計がSentinel-6やJasonなどの衛星ミッションによる海面高度の長期記録を補完する予定だ。
運用段階では、気象衛星運用機関Eumetsatが日常の衛星運用と海洋・大気データの提供を担う。ESAは陸域、雪氷圏、内陸水、およびオフライン大気プロダクトの提供を受け持つ。