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化学・電気推進を共通タンクで賄う超小型衛星、地上試験を完了

この記事のポイント

  1. 実現したこと

    二方式の推進系を搭載した6U超小型衛星が、環境試験と物理試験を終えて打ち上げ準備へ進んだ。

  2. 実現の仕組み

    単一の推進剤ASCENTを共通タンクに収め、燃焼式とエレクトロスプレー式の推進器へ供給する。

  3. 得られた結果

    加圧ヘリウムによる漏れ試験で、実証機のシールが意図どおり機能することを確認した。

  4. 従来との違い

    別々のタンクと配管を要する一般的な二系統構成に対し、実証機は一つのタンクを共有する構成になった。

共通タンクから燃焼式推進器とエレクトロスプレー推進器へ配管が分岐する超小型衛星の説明図
AI生成画像

化学推進と電気推進に同じタンクから推進剤を送る6U超小型衛星が、漏れ・熱真空・回転の地上試験を完了した。二方式を宇宙で使う実証に向け、打ち上げ準備へ進む。

一つのタンクから二種類の推進器へ

NASAのマーシャル宇宙飛行センターが試験した実証機は、6U規格の超小型衛星だ。NASAが説明する一般的な宇宙機の構成では、高推力の化学推進系と低推力の電気推進系に別々のタンクと配管を使う。

この実証機は、ASCENTと呼ぶ単一の非毒性推進剤を共通タンクに収め、高推力の燃焼式推進器と低推力のエレクトロスプレー推進器へ供給する設計を採った。NASAは、タンクを共有することで推進系の質量と容積を節約すると説明している。

漏れ試験で共通タンク系のシールを確認

二種類の推進器につながる共通タンク系について、マーシャル宇宙飛行センターは飛行用機体の環境試験と物理試験を完了した。漏れ試験では、実証機を真空容器に入れて加圧ヘリウムを使用し、シールが意図どおり機能することを確認した。

共通タンクから双方の推進器へ送る構成では、燃料配管とバルブの密閉性が欠かせない。この試験で確認されたのは地上でのシールの状態であり、二方式による軌道上の機動は飛行実証で試す。

熱真空と回転試験で機体の条件を測定

実証機は、真空と温度変化を模擬する熱真空試験も受けた。推進器に加え、電子機器や機械系を軌道上の環境に備えるための試験である。

回転試験では機体の質量特性と重心を測定した。重心と質量の分布は姿勢の安定に関わり、アンテナを地球へ向け、太陽電池で日光を受ける機体の運用にも関係する。

最終確認を経て軌道上で両方式を試す

地上試験を終えた機体には、最終的なシステム確認と太陽電池アレイの統合が残る。その後、打ち上げ場所へ輸送する予定だ。

軌道投入後は、まず化学推進と電気推進による短い機動を行う。これが成功すれば、両方式を交互に使って軌道を上げ下げし、共通タンクを用いる二方式の推進系を宇宙で実証する計画である。