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部材配分AIの開発時評価、追加学習で正答率17.5%から86.7%に

この記事のポイント

  1. 実現したこと

    追加学習したAIが、製造拠点への部材配分を理由とリスク付きで推奨し、担当者が最終判断する。

  2. 実現の仕組み

    担当者の判断理由と生産結果を記録し、匿名化と学習例の調整を経て言語モデルへ取り込む。

  3. 得られた結果

    NVIDIAの開発時評価では、配分判断の正答率が追加学習前の17.5%に対し86.7%だった。

  4. 従来との違い

    配分判断とその理由が、担当者ごとの判断にとどまらず、学習に使える業務記録へ加わった。

担当者が製造拠点ごとに部材を配分し、生産状況を確認するイラスト
AI生成画像

製造拠点への部材配分を支援するAIが、担当者の判断理由と生産結果を使って追加学習された。NVIDIAの開発時評価では、配分判断の正答率が基礎モデルの17.5%から86.7%になった。

週ごとに変わる不足部材を、配分問題として扱う

NVIDIAは製造拠点への重要部材の配分を毎週見直している。部材の到着時期や各拠点の生産能力が異なるため、ある拠点へ早く部材を送っても、ほかの部材がそろうまで組み立てを始められない場合がある。

そこで、部材を受け取ってから製品または部分組立品として出るまでの時間を、Time of Ownership(TOO)として計測する。NVIDIAとPalantirが構築した業務基盤では、Palantir FoundryのOntologyが部材、製造拠点、生産能力、配分、生産結果、定性的な情報を結び付け、配分判断に必要な情報を同じ基盤で扱う。

最適化計算が配分案と制約条件を示す

配分量と送り先を決める計算は、TOOの最小化を目的とする混合整数線形計画問題として定式化されている。最適化ソフトウェアのNVIDIA cuOptはOntologyから入力を受けて配分案を計算し、その週の配分を制約した条件も示す。

ただし、計算へ入る数値だけでは担当者の判断を再現できなかった。NVIDIAとPalantirが過去の配分判断を検証したところ、担当者は取引先とのメール、天候、地政学的事象、供給元との協議など、最適化計算に含まれない情報も使っていた。

判断理由と実績を言語モデルの学習へつなぐ

新しい業務手順は、担当者が決めた配分量だけでなく、その理由、予想した結果、実際の結果を記録する。NVIDIAとPalantirはこの記録を使い、部材配分を推奨するために言語モデルのNemotron 3.5 Lightningを追加学習した。

学習工程では、NeMo Anonymizerが個人識別情報を除去し、機微な項目を判別しにくくする。NeMo Data Designerは学習例を増やし、配分増加、能力制約、供給の混乱を含むよう調整する。NeMo AutoModelは基礎モデルの重みを固定したまま、LoRAアダプターのパラメーターを学習する。

過去の判断時点を再現した評価で正答率86.7%

評価では、過去の各判断時点で知り得た情報だけをモデルに与え、後に判明した結果を隠して配分判断を再現した。NVIDIAの開発時評価で、追加学習後のNemotron 3.5 Lightningの配分判断正答率は86.7%だった。追加学習前の同モデルは17.5%、比較対象のNemotron 3 Ultraは55.5%だった。

判断の種類ごとの成績も比較されている。追加学習後のモデルは、種類ごとの再現率を平均するバランス精度で58.6%、Macro-F1で57.5%となり、Nemotron 3 Ultraの42.0%と39.5%をそれぞれ上回った。

推奨を担当者が審査し、判断を記録へ戻す

業務手順では、モデルが現在の業務情報を読み、理由とリスクを添えた配分案を返す。担当者はその案を確認し、最終的な配分を決める。

推奨を採用したか、編集または却下したかという判断と、その後の生産結果はOntologyへ書き戻される。これにより、配分案と人の判断、その結果が同じ業務記録につながる。