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AIが紫外線の未観測域を補完し、全天地図を作成

この記事のポイント

  1. 実現したこと

    完成した紫外線の全天地図では、各画素が実測か予測かを追加レイヤーで確認できる。

  2. 実現の仕組み

    紫外線と可視光・赤外線・電波の関係を観測済み領域で学習し、欠けた領域の紫外線の明るさを推定した。

  3. 得られた結果

    観測データの一部を隠す検証では、改良後の予測値と実測値の差が約10%以内になったと作成者は説明している。

  4. 従来との違い

    銀河面の大部分を含む未観測域を予測で埋め、紫外線データが欠けていた全天の約3分の1を地図へ組み込んだ。

紫外線の全天図を開いた天体地図帳に描き、銀河面を含む推定領域を点描で示す。下には可視光・赤外線・電波の関連する全天図が重ねられている。
AI生成画像

紫外線で未観測だった全天の約3分の1をAIの推定で補い、観測データとつないだ全天地図が完成した。科学研究向けAIのClaude Scienceは、異なる装置のデータを校正・統合し、他の波長との関係から欠損域を補完した。実測と予測を画素ごとに区別するレイヤーも備える。

明るい星を避けた観測に残る空白

紫外線の全天地図は、実際の観測と未観測域の推定を組み合わせて完成した。ジョンズ・ホプキンズ大学の天体物理学者でAnthropicの研究者でもあるBrice Ménardは、科学研究向けAIのClaude Scienceと地図の初版を作成した。

土台となるNASAの紫外線観測ミッションGALEXは、全天の約3分の2を観測していた。非常に明るい星は検出器を損傷する危険があるため、星が密集する銀河面を含む領域が観測対象から外されていた。

星の光の混入を除き、観測装置間の尺度をそろえる

Claudeが統括するAIエージェントは、公開された紫外線観測データを収集し、観測群ごとの内部整合性を整えた。明るい星から周辺へ混入する光を除去し、星の周囲にある淡い紫外線を測定できる状態にした。

整えたデータを結合する段階では、異なる装置が捉える紫外線の違いを相互校正した。さらに解像度と座標系をそろえ、別々の観測を一つの地図へ統合した。

他の波長から紫外線を推定し、隠した実測値と照合

欠けた領域の補完には、画像の欠損部分を推定するinpaintingを用いた。紫外線観測のある全天の約3分の2で、紫外線の明るさと可視光・赤外線・電波との関係を学習し、その関係を未観測域へ適用した。各地点の明るさに加えて、推定の確信度も求めた。

Ménardが行わせた検証では、紫外線の実測値がある領域の一部を意図的に隠し、その値を参照せずに補完した。複数回の改良後、予測値と隠した実測値の差は約10%以内になったという。この結果は、観測済み領域を使った欠損補完の検証で得られたものだ。

1億個超の星を加え、実測と予測を区別する

補完した拡散背景には、欧州宇宙機関の観測衛星Gaiaが可視光で測定した1億個超の星から推定した紫外線光を加えた。完成した地図は、波長154 nmの遠紫外線と232 nmの近紫外線を組み合わせている。

銀河面の大部分を含む地図の約3分の1は、Claude Scienceによる予測で埋められた。地図には各画素を実測か予測かに分類する追加レイヤーと、不確かさの推定値が用意されている。