医療対話AIのAMIEが、実患者の外来受診前に問診を行った。成人100人を対象とする前向き研究では、医師が対話を監督し、事前に定めた安全停止を必要とする対話はなかった。対話記録と要約は診療担当医へ引き継いだ。
患者役との対話から実際の外来問診へ
Googleは、米国の医療機関Beth Israel Deaconess Medical Centerと共同で、医療対話AIのAMIEを単施設・単群の前向き実行可能性研究に導入した。これまでの模擬的な診断課題や患者役との対話から評価範囲を広げ、実患者が参加する診療の流れで問診を行った。
対象は、新たに生じた緊急性のない一時的な症状で外来プライマリケアを受診する患者だった。成人100人が受診前のAIとの対話を完了し、うち98人が予約した外来診療を受けた。
監督付きの対話を記録と要約にして医師へ渡す
患者は安全なウェブリンクを開き、AMIEとテキストで対話した。そのやり取りを監督医師が画面共有付きのライブのビデオ通話で見守り、必要な場合に介入する運用を組み込んだ。
受診前の対話が終わると、AIは対話記録と要約を生成した。これらを患者の同意のもとで診療担当医へ受診前に提供し、AIが聞き取った内容を診療へ引き継いだ。
四つの停止基準に該当する対話はなかった
監督医師は、自他への危害の差し迫った懸念、AIとの対話に関連する強い精神的苦痛、会話から判断した臨床的危害の可能性、患者による終了の明示的な要求のいずれかで対話を停止するよう訓練された。Googleの研究結果では、全対話を通じてこの安全停止は必要とされなかった。
患者のAIへの信頼も、AMIEとの対話後に高まった。これらは今回参加した患者についての結果であり、参加者の年齢構成は、研究期間中の診療施設の急性症状に対する受診全体より若年層に偏っていた。
診断候補と診療方針を出所を伏せて比較する
対話の運用評価に加え、診療に関与しなかった臨床評価者が、AMIEと診療担当医の鑑別診断と診療方針を採点した。鑑別診断は症状を説明し得る診断候補を指し、評価では対象の出所を伏せて無作為化した方法を用いた。
各症例は3人が評価し、その中央値を症例ごとの結果として集計した。Googleによると、この評価でAMIEと診療担当医の鑑別診断および診療方針の全体的な品質は同程度とされた。