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言葉と画像から走行制約を特定する屋内ロボットAIの開発開始

この記事のポイント

  1. 実現したこと

    屋内移動ロボットの走行制約設定を支援する小型AI基盤モデルの共同開発が始まった。

  2. 実現の仕組み

    開発するモデルは、自然言語・RGB画像・深度情報を使い、物体や走行制約を2次元・3次元の空間上に特定する。

  3. 得られた結果

    実証計画には、搬送・清掃ロボットを使う5業種・10現場以上での空間認識性能と設定作業の委譲率の評価が組み込まれた。

  4. 従来との違い

    共同提案した屋内ロボット向けモデル開発事業が、国のGENIACロボット基盤モデル研究開発の採択事業となった。

屋内ロボットが台車を避ける通行可能域と制約域を床面の色分けで示した編集イラスト
AI生成画像

屋内移動ロボットの走行制約を、言葉による指示と画像・深度情報から特定する小型AI基盤モデル「PLaMo-SemGround」の共同開発が始まった。20億パラメータ級以下で、意味情報付き地図や経路計画器へ接続するモデルを目指す。

現場ごとの走行制約設定をAIと担当者へ委譲

AI開発企業のPreferred Networks(PFN)とロボット開発企業のPreferred Robotics(PFR)は、屋内移動ロボット向けAI基盤モデルPLaMo-SemGroundの共同開発を開始した。共同提案した事業は、経済産業省と新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が実施する生成AI開発支援プロジェクト「GENIAC」のロボット基盤モデル研究開発に採択された。

PFNとPFRは、現場ごとの通行方向や進入禁止領域、段差、仮置きした物に合わせた走行制約の設定や、環境変化への対処に専門技術者の調整が必要になる場合があるとしている。開発事業では、導入に必要な初期設定・運用タスクの90%以上をAIと現場担当者に委譲することを目指す。

言葉と視覚情報を空間上の制約へ対応付ける

開発するモデルは、自然言語の指示、カメラのRGB画像、物体や床・壁までの距離を示す深度情報を入力とする。これらを使って領域・物体・走行制約を2次元および3次元で特定し、意味情報付き地図や経路計画器へ接続可能にする計画だ。

モデルの規模は20億パラメータ級以下を目指す。軽量化と実装の最適化により、クラウドを通さず、ロボット本体の計算機や現場に設置したローカルPCで動作させることを見据える。

現場データを2,000万サンプル以上の学習・評価基盤へ

PFRは、搬送・清掃ロボットや専用のデータ取得台車を使い、許可を得た工場や商業施設など50現場以上からRGB画像、深度情報、走行ログ、現場ルールを収集する。学習・評価に使える実用データとして80万フレーム以上を確保し、PFNが公開データ・合成データと統合する。統合後は、画像質問応答や対象領域の特定に利用できる2,000万サンプル以上のデータ基盤を構築する計画だ。

評価には、公開ベンチマークのEmbodiedScanを事業の評価タスク向けに整備して使う。さらに、PFRが400現場以上で収集した利用可能な既存データと新規の現場データを組み合わせ、対象業務に適した独自ベンチマークをPFNが構築する。

搬送・清掃ロボットで認識性能と設定作業の委譲を評価

実証試験では、開発したモデルをPFRの搬送・清掃ロボットへ実装する。5業種・10現場以上で空間認識性能を評価するとともに、設定作業の90%を委譲するという目標の達成度を調べる計画だ。

開発成果は、2028年度中にPFR製品へ先行実装する予定となっている。PFNは、モデルライセンス、SDK(ソフトウェア開発キット)、評価基盤などとして、国内のロボットメーカー、システムインテグレーター、施設管理事業者へ段階的に商用販売する計画だ。