救助かごの回転を電動ファンで抑える装置が、山岳救助で実際に使われた。オレゴン州兵の航空隊は、地上から安定用ロープを操作せずに負傷者を吊り上げ、病院へ搬送した。
試験中の装置を山岳救助に投入
オレゴン州兵の航空隊は9月12日、マウント・ジェファーソン山域で負傷した猟師の救助に、回転抑制装置「Vita」を取り付けた救助かごを使用した。この装置の試験は2025年6月に始まっており、今回の任務で実際の救助に使われた。
従来の方法では、地上の衛生兵がかごに付けた安定用ロープを扱い、かごの昇降中に生じる回転を抑える。今回の装置は、その回転をかご側で制御するために取り付けられた。
電動ファンがかごの回転を打ち消す
Vitaは救助かごに取り付けられ、ファンの推力で風などによる回転を打ち消す。地上からロープを引いてかごの向きを保つ代わりに、かごに付いた装置が回転を抑える構成だ。
電動推進機構は、回転しているかごを数秒以内に制御下へ戻す。吊り上げ中にかごが回り始めても、装置の推力を使って向きを立て直す。
向きの検知と無線操作で吊り上げを制御
推力偏向機構は毎秒複数回、かごの向きを検知する。検知した向きに応じて推力を使い、ヘリコプターの強い吹き下ろしの中でも向きを維持または調整する。
乗員は無線の手持ちコントローラーから、かごの回転方向を指示できる。待機モードと作動モードの切り替えも、このコントローラーで行う。
安定用ロープを使わず負傷者を搬送
今回の救助では、地上の衛生兵が安定用ロープでかごを押さえる従来の方法に代えて、Vitaを使用した。オレゴン州兵の航空隊は、HH-60M Black Hawkヘリコプターから装置付きのかごを吊り上げた。
負傷した猟師は病院へ空輸され、救助から数時間以内に治療を受けた。回転抑制装置を使った吊り上げが、実際の山岳救助から病院搬送までの任務に組み込まれた。