Space

退役衛星2機を軌道移動で巡る検査計画が具体化

この記事のポイント

  1. 実現したこと

    検査衛星ISSA-J1の対象が「だいち」と「みどりII」に具体化し、2機を順に近距離観察する計画が公開された。

  2. 実現の仕組み

    最初の衛星を非接触で検査した後、複数回の軌道調整で次の衛星へ移り、段階的な接近を繰り返す。

  3. 得られた結果

    検査では退役衛星の姿勢、回転挙動、劣化の兆候を観察する。打ち上げは2027年の予定である。

  4. 従来との違い

    運用構想の予告映像にとどまっていた公開情報に、対象衛星名と接近・離脱・軌道移動の具体的な手順が加わった。

地球の上空で、検査衛星が退役した地球観測衛星に触れずに近距離観察し、別の軌道上にある2機目の衛星が遠方に見える編集イラスト。
AI生成画像

検査衛星ISSA-J1が、異なる軌道にある退役衛星「だいち」と「みどりII」を順に訪ねる運用計画が具体化した。安全な距離から対象の動きを確認して非接触で撮影し、検査後は軌道を移って次の対象へ向かう。打ち上げは2027年を予定する。

高度の異なる「だいち」と「みどりII」を検査する

アストロスケール日本が開発する検査衛星ISSA-J1は、退役した地球観測衛星「だいち」(ALOS)と「みどりII」(ADEOS-II)を対象とする。公開された軌道高度は、それぞれ約691kmと約803〜820kmであり、2機の検査には異なる軌道への移動を組み込む。

近距離観察では、対象の姿勢や回転挙動、劣化の兆候を調べる計画だ。検査衛星は対象へ接近して撮影するため、観察に先立って衛星の動きと状態を確認する手順を取る。

対象の動きを確認しながら非接触で距離を縮める

軌道投入後のISSA-J1は、システムと通信の初期確認を済ませてから軌道を調整し、最初の対象である「だいち」へ向かう。接近の初期段階では安全な距離を保ち、対象の動きと状態を観察する。

その確認を進めながら距離を段階的に縮め、対象の周囲で近距離撮影と観察を行う計画である。この検査では物理的な接触を行わず、画像と近距離の観察によって対象の状態を調べる。

検査後に軌道を離れ、次の衛星へ接近する

「だいち」の検査を終えると、ISSA-J1はその軌道を離れて「みどりII」がある軌道へ移る。この移動は、複数回の軌道調整を通じて段階的に進める計画だ。

次の対象へ到着した後も、段階的な接近と検査を繰り返す。アストロスケール日本は、接近、検査、離脱、軌道移動をつなぐことで、単一ミッションで異なる軌道の複数対象へ接近する能力を実証する計画である。

具体的な運用手順を公開し、2027年の打ち上げを予定

運用計画を担うISSA-J1の公開仕様では、推進剤を搭載した質量は約650kgである。推進系は化学推進スラスター10基と電気推進スラスター2基、合計12基で構成する。

アストロスケール日本は3月10日に運用構想の予告映像を公開し、機体が組み立て段階にあると説明した。4月6日には対象衛星名と具体的な運用手順を公開し、打ち上げを2027年に予定している。