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静止・低軌道を観測する共用光学観測所、相生で建設・運用へ

この記事のポイント

  1. 実現したこと

    静止軌道と低軌道の宇宙物体を観測する共用観測所の整備が、建設・運用契約の段階へ進んだ。

  2. 実現の仕組み

    新型センサー3基を備える光学観測所を、世界各地のセンサーを中央指揮所につなぐ宇宙監視網に組み込む。

  3. 得られた結果

    観測施設と取得データを共用し、IHIエアロスペースとアリアングループがデータをそれぞれ活用することが合意された。

  4. 従来との違い

    IHIエアロスペースの既存事業は静止軌道帯を観測しており、今回の共用観測所の契約には低軌道の観測も含まれた。

夕暮れの空を背景に、3基の光学望遠鏡を備える計画中の共用観測所を描いたイラスト。上空には高度の異なる軌道と小さな衛星が示され、静止軌道・低軌道の観測を表している。
AI生成画像

静止軌道と低軌道の宇宙物体を光学望遠鏡で観測し、施設とデータを共用する観測所の整備が契約段階へ進んだ。IHIエアロスペースとアリアングループは、IHI相生事業所内での建設・運用に合意した。新型センサー3基を備え、宇宙監視網の16番目の光学観測所となる計画だ。

静止軌道帯の観測事業に低軌道を含む共用拠点

宇宙機器メーカーのIHIエアロスペースは、群馬県南牧村と兵庫県相生市に宇宙状況把握(SSA)の観測所を持つ。既存事業では静止軌道帯を観測し、そのデータを販売している。

今回、宇宙・防衛企業のアリアングループと契約した共用観測所は、静止軌道に加えて低軌道の宇宙物体も観測対象とする。光学望遠鏡を使う計画で、既存事業の観測対象より広い軌道範囲を扱う。

相生で施設と観測データを共用する契約

IHIエアロスペースとアリアングループは4月1日、東京で共用観測所の建設・運用に関する協力契約を締結した。設置先はIHI相生事業所内で、今回成立したのは観測所を建設し、運用するための契約である。

共用の対象は施設だけでなく、そこで取得する観測データにも及ぶ。取得データは2社がそれぞれ活用する取り決めとなっている。

新型センサー3基を世界規模の光学観測網へ

アリアングループは、相生の共用拠点を宇宙状況監視ネットワークHelixの16番目の光学観測所と位置付けている。この拠点には新型センサー3基を搭載する計画だ。

この観測網は、世界各地に分散配置した多様な光学センサーを中央指揮所へ接続する構成を取る。相生の観測所も、こうした分散型の観測網を構成する拠点となる。

中央の自動処理から位置情報と軌道変更の解析へ

アリアングループによると、Helixは人工知能を使って高速な自動処理を行う。各地の光学センサーを接続する観測網に、この処理機能を組み合わせている。

観測網は24時間365日稼働し、リアルタイムの位置情報サービスを提供しているという。提供情報には、宇宙物体が軌道上で行うマニューバ、すなわち軌道変更に関する解析も含まれる。