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宇宙重力波観測用の望遠鏡、最終飛行前試験機の開発へ

この記事のポイント

  1. 実現したこと

    宇宙重力波観測計画LISAの望遠鏡試作機が厳しい試験を経て、次の試験機へ反映する知見を得た。

  2. 実現の仕組み

    望遠鏡全体に、広い温度範囲で形状が変わりにくいガラスセラミックを使う。

  3. 得られた結果

    新しい試験機は最後の飛行前機と位置付けられ、ESAへ初めて提供する光学望遠鏡になる予定だ。

  4. 従来との違い

    光学望遠鏡の試作機に続き、金属製の構造モデルも納入済みとなった。

金色の主鏡が見える望遠鏡の模式的な試験機を手前に、2基ずつの望遠鏡を備えた3機の宇宙機が三角形に並び、レーザー光で結ばれている。
AI生成画像

宇宙重力波観測計画LISAの望遠鏡開発が、試作機の試験結果を取り込む最終飛行前試験機へ進む。温度による形状変化を抑えるガラスセラミック製の望遠鏡で、250万km離れた宇宙機間のレーザー送受信を担う計画だ。

試作機の試験で得た知見を最終飛行前機へ

宇宙重力波観測計画LISAの新しい望遠鏡試験機は、飛行用機器の製造に先立つ最終段階を担う。NASA向けの開発を担当する航空宇宙企業L3Harris Technologiesが、Engineering Test Unitと呼ぶ試験機を設計し、組み立てと統合を進める。

NASAは2024年に納入された望遠鏡試作機を厳しく試験し、そこで得た知見を新しい試験機へ取り込むとしている。新しい試験機は最後の飛行前機であり、欧州宇宙機関ESAへ初めて提供する光学望遠鏡になる予定だ。望遠鏡の構造モデルは、ガラスに代えて金属で製作したものが2026年6月に納入されている。

ガラスセラミックと金の鏡面で形状と温度を保つ

各望遠鏡は、全体をガラスセラミックのZerodurで製作する計画だ。この材料は広い温度範囲で形状が変わりにくく、高精度を必要とする用途に使われている。

2024年の試作機では、主鏡の表面に金のコーティングを施した。NASAによると、金の鏡面は赤外線レーザーの反射を高めるとともに、冷たい宇宙空間に面する表面からの熱損失を減らす。望遠鏡は室温に近い温度で最もよく動作するため、このコーティングは光の反射と温度の維持の両方を担う。

6基の望遠鏡が250万kmの辺をレーザーで結ぶ

LISAは地球を追う軌道に3機の宇宙機を配置し、一辺250万kmの三角形を形成する計画だ。各宇宙機に2基ずつ搭載する望遠鏡は、隣接する宇宙機へ赤外線レーザーを送りながら、相手からのレーザーも受信する。

この送受信を通じて宇宙機間の相対距離の微小な変化を測り、通過する重力波の信号を捉える。NASAは、この測定経路を構成する望遠鏡6基すべてを提供する。

レーザーと帯電管理、信号解析もNASAが担う

望遠鏡で送受信する光を生むレーザーシステムも、NASAの提供範囲に含まれる。宇宙機内で自由浮遊する基準質量には電荷の蓄積を管理する装置を用意し、得られた信号から個々の重力波源を識別して特徴を調べるデータ解析にも貢献する。

ESAがミッションを主導し、NASAがこれらの機器と科学・工学面で協力する。LISAの打ち上げは2030年代半ばを予定している。