Space

運用を終えた衛星に自律接近する検査実証機を打ち上げ

この記事のポイント

  1. 実現したこと

    自律誘導・制御と電気推進、可動式ロボットブームを備えた小型宇宙機Otter 24Cが、軌道上検査の実証に投入された。

  2. 実現の仕組み

    コンピュータービジョンとセンサーを航法判断に使い、地上からの入力を最小限に抑えて対象へ接近する計画だ。

  3. 得られた結果

    検査対象は低地球軌道の米国由来の運用不能物体、最大4個で、接触やドッキングは行わない。

  4. 従来との違い

    2024年に実施契約が決まったSSPICYミッションは、宇宙機の打ち上げを完了した。

地球の青い地平線を背景に、カメラを向けた小型の検査宇宙機が可動ブーム先端の推進器を備え、間隔を保って運用終了衛星へ接近する手描き風イラスト。
AI生成画像

運用を終えた衛星などへ自律接近し、回転や表面状態を調べる小型宇宙機が10月1日に打ち上げられた。SSPICYミッションは電気推進と可動式ロボットブームも組み合わせ、2027年初めから最大4個の宇宙物体を非接触で検査する計画だ。

実施契約から検査実証機の打ち上げへ

軌道上検査の技術実証ミッションSSPICYには、宇宙企業Starfish Spaceが開発・運用する小型宇宙機Otter 24Cを使う。NASAは2024年、ミッションの実施に向けて3年間で1500万ドルを提供する契約を発表していた。

この宇宙機は2026年10月1日、カリフォルニア州のバンデンバーグ宇宙軍基地から打ち上げられた。検査対象は低地球軌道にある米国由来の運用不能な物体で、衛星やロケット機体など最大4個への接近を計画している。

画像とセンサーで接近中の航法を判断

対象への接近では、コンピュータービジョンによる画像認識とセンサーを航法ソフトウェアへ組み込む。NASAによると、このソフトウェアが接近中にリアルタイムで航法上の判断を行う。

接近を担う自律誘導・制御ソフトウェアは、地上管制からの入力を最小限に抑えて運用する計画だ。対象物体を捉える認識処理と宇宙機の誘導・制御を組み合わせ、運用を終えた物体へ近づく技術を試す。

電気推進と可動式ブームで対象間を移動

複数の対象を訪れるため、宇宙機は電気推進システムで物体間を移動する。可動式ロボットブームはスラスターの向きを変え、異なる軌道間で精密に機動する技術の試験に使う。

この推進系を、対象へ近づく自律誘導・制御と同じ宇宙機で運用する。NASAは、これらの技術を統合したシステムとして試験するのはSSPICYが初めてだとしている。

非接触で回転・姿勢・表面状態を調べる

対象に接近した宇宙機は、物体の回転速度、姿勢、表面状態を収集する計画だ。今回の検査では衛星への接触やドッキングを行わず、近傍から物体の状態を調べる。

検査のための接近運用は2027年初めに始め、対象から数百ヤード以内まで近づく予定だ。ミッション全体の運用期間は約2年間を見込んでいる。