130TB超のSSDを備えた宇宙用計算機が、国際宇宙ステーション(ISS)へ向けて打ち上げられた。更新版HPE Spaceborne Computer-2は、市販サーバーを基盤に宇宙で画像処理や深層学習を行う設計で、搭載SSDの状態を毎日監視する運用も予定する。
市販サーバーを宇宙での計算処理へ
キオクシアのSSDを搭載した宇宙用計算機HPE Spaceborne Computer-2の更新版は、ISSへ輸送するNG-20ミッションで打ち上げられた。基盤となるのは、サーバーメーカーHewlett Packard Enterprise(HPE)のEdgeLineとProLiantで、市販技術を用いている。
キオクシアによると、この計算機はリアルタイム画像処理、深層学習、科学シミュレーションなどを宇宙で実行する設計だ。データが生じる場所で計算するエッジコンピューティングとAIの利用により、通信への依存を減らすことを目指す。
3種類のSSDで130TB超を搭載
計算機のフラッシュストレージには、キオクシアが提供したRMシリーズのValue SAS、PMシリーズのEnterprise SAS、XGシリーズのNVMe SSDを使う。内訳は1台1,024GBのNVMe SSDが8台、1台960GBのValue SAS SSDが4台、1台30.72TBのEnterprise SAS SSDが4台で、合計公称容量は130TBを超える。
この容量は、1GBを10億バイト、1TBを1兆バイトとする表記に基づく。フォーマットやソフトウェアなどによって、実際に利用できる容量は変わる。
単一ミッションの容量記録を更新
キオクシアの2024年1月31日時点の調査では、今回の容量は単一ミッションでISSへ運ぶストレージとして最大となる。更新版の計算機は、その容量をフラッシュメモリーによるSSDで構成している。
キオクシアは、SSDには可動部がなく、従来のHDDより高速である点を宇宙向けストレージの利点として挙げる。これらの特性から、宇宙で求められる電力、性能、信頼性の条件に適していると説明している。
毎日の状態ログをISSから送信
ミッション期間中は、搭載SSDの状態を毎日監視する予定だ。監視で得たログファイルは、ISSから毎日送信する。
キオクシアは、この状態データを継続して追跡・分析する予定である。分析の目的は、厳しい宇宙環境でフラッシュストレージがどのように動作するかを理解することにある。