Space

130TB超のSSDを搭載したISS向け計算機が打ち上げ

この記事のポイント

  1. 実現したこと

    宇宙で画像処理や深層学習を行う設計の計算機が、ISSへの輸送段階に入った。

  2. 実現の仕組み

    30.72TBのEnterprise SAS SSDを4台搭載し、NVMeとValue SASのSSDも組み合わせる。

  3. 得られた結果

    更新版の宇宙用計算機に、合計130TB超の公称ストレージ容量を搭載した。

  4. 従来との違い

    単一ミッションでISSへ運ぶストレージ容量の最大記録を更新したと、キオクシアは説明している。

地球を望む宇宙ステーション内のラックに固定された汎用計算機。内部に複数種類のSSDが並び、地球観測画像の処理と状態ログの送信を示す図案が添えられている。
AI生成画像

130TB超のSSDを備えた宇宙用計算機が、国際宇宙ステーション(ISS)へ向けて打ち上げられた。更新版HPE Spaceborne Computer-2は、市販サーバーを基盤に宇宙で画像処理や深層学習を行う設計で、搭載SSDの状態を毎日監視する運用も予定する。

市販サーバーを宇宙での計算処理へ

キオクシアのSSDを搭載した宇宙用計算機HPE Spaceborne Computer-2の更新版は、ISSへ輸送するNG-20ミッションで打ち上げられた。基盤となるのは、サーバーメーカーHewlett Packard Enterprise(HPE)のEdgeLineとProLiantで、市販技術を用いている。

キオクシアによると、この計算機はリアルタイム画像処理、深層学習、科学シミュレーションなどを宇宙で実行する設計だ。データが生じる場所で計算するエッジコンピューティングとAIの利用により、通信への依存を減らすことを目指す。

3種類のSSDで130TB超を搭載

計算機のフラッシュストレージには、キオクシアが提供したRMシリーズのValue SAS、PMシリーズのEnterprise SAS、XGシリーズのNVMe SSDを使う。内訳は1台1,024GBのNVMe SSDが8台、1台960GBのValue SAS SSDが4台、1台30.72TBのEnterprise SAS SSDが4台で、合計公称容量は130TBを超える。

この容量は、1GBを10億バイト、1TBを1兆バイトとする表記に基づく。フォーマットやソフトウェアなどによって、実際に利用できる容量は変わる。

単一ミッションの容量記録を更新

キオクシアの2024年1月31日時点の調査では、今回の容量は単一ミッションでISSへ運ぶストレージとして最大となる。更新版の計算機は、その容量をフラッシュメモリーによるSSDで構成している。

キオクシアは、SSDには可動部がなく、従来のHDDより高速である点を宇宙向けストレージの利点として挙げる。これらの特性から、宇宙で求められる電力、性能、信頼性の条件に適していると説明している。

毎日の状態ログをISSから送信

ミッション期間中は、搭載SSDの状態を毎日監視する予定だ。監視で得たログファイルは、ISSから毎日送信する。

キオクシアは、この状態データを継続して追跡・分析する予定である。分析の目的は、厳しい宇宙環境でフラッシュストレージがどのように動作するかを理解することにある。