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排熱から90℃の温水を作るヒートポンプ、海外へ販売拡大

この記事のポイント

  1. 実現したこと

    排熱回収型ヒートポンプETI-Wは、最大640kWの加熱能力で、従来ボイラーなどが担ってきた高温水用途に対応する。

  2. 実現の仕組み

    低温排熱を熱源水から回収し、高温水供給に伴う高い圧縮比に適した遠心圧縮機を使う。

  3. 得られた結果

    三菱重工サーマルシステムズは、90℃の温水供給時にも加熱COP 4.01を達成したとしている。

  4. 従来との違い

    2025年に日本で発売したETI-Wの販売地域を、海外市場にも広げる。

工場の設備室に設置されたヒートポンプへ青い熱源水配管が入り、橙色の温水配管が製造設備側へ伸びる編集イラスト。
AI生成画像

低温排熱を回収し、最高90℃の温水として再利用するヒートポンプETI-Wの販売地域が海外へ広がる。工場の工程排熱に加え、冷凍機の冷却水に残る熱も回収対象にできる。三菱重工サーマルシステムズは、2026年10月から海外販売を始める。

低温の工程排熱を高温水へ戻す

排熱回収型ヒートポンプETI-Wは、工場の生産工程で生じる低温排熱を、熱源水から回収する。三菱重工サーマルシステムズによると、回収した熱はヒートポンプの熱力学的な原理を利用し、最高90℃の温水として再利用できる。

最大加熱能力は640kWで、従来ボイラーなどが担ってきた高温水用途に対応する。十分に利用されていなかった排熱を、高温の温水を必要とする工程へ供給する構成だ。

高い圧縮比に合わせた圧縮機で90℃供給に対応

高温水を供給する遠心圧縮機は、冷媒の特性と高い圧縮比に適するよう設計されている。圧縮比は、圧縮機が吸い込む際の圧力に対する吐出圧力の比で、ETI-Wでは高温水供給に伴うこの条件へ設計を合わせた。

三菱重工サーマルシステムズは、この圧縮機設計によって90℃の温水供給時にも加熱COP 4.01を達成したとしている。内蔵インバーターと熱交換器の設計最適化で、高い加熱能力とコンパクトなパッケージを両立し、冷媒には低GWPのHFO-1233zd(E)を採用する。

冷凍機の冷却水からも熱を回収

回収する熱源は、工場の工程排熱だけに限られない。冷凍機を備える施設では、冷却水に残る熱をETI-Wへ取り込み、高温水として再利用するシステムを構成できる。

この接続は、冷却設備から継続的に排熱が生じるデータセンターなどにも適用できる。三菱重工サーマルシステムズは、排熱の温度と熱量などが適合する条件では、暖房や給湯の需要に応える熱源として利用できるとしている。

日本向けから海外の工場・施設向けへ

こうした排熱回収と高温水供給に対応するETI-Wは、2025年に日本で発売された。三菱重工サーマルシステムズは2026年10月から販売地域を海外へ広げ、電子、自動車、食品、化学、医薬品工場の生産工程を重点用途とする。

海外では、商業施設や宿泊施設の暖房・給湯も対象にする。販売とサービスには、遠心冷凍機事業で構築した海外の販売・サービス網を活用する。