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NASA、低酸素下で動く大型翼模型に感圧塗料を初適用

この記事のポイント

  1. 実現したこと

    標準翼模型の周囲の流れを、非定常感圧塗料を用いた風洞試験で調べた。

  2. 実現の仕組み

    翼に加わる圧力を塗膜の明るさの変化に置き換え、高速カメラで記録する。

  3. 得られた結果

    紫外線を照射した翼模型がピンクがかった紫色に発光し、明るさの変化を撮影できた。

  4. 従来との違い

    非定常感圧塗料の適用実績が、低酸素環境で自由に動く大型模型へ初めて広がった。

紫外線でピンク紫色に発光する感圧塗料を施した翼模型を、高速カメラで撮影する風洞試験の編集イラスト
AI生成画像

圧力に応じて明るさが変わる非定常感圧塗料が、低酸素環境で自由に動く大型翼模型に初めて使われた。NASAの風洞試験では、紫外線で発光する塗膜を高速カメラで捉え、翼に作用する空気の流れを調べた。

低酸素環境で自由に動く翼へ適用

NASAラングレー研究センターは、風洞施設Transonic Dynamics Tunnelで標準翼模型Benchmark Supercritical Wingに非定常感圧塗料を用いた。翼の周囲を流れる空気を、模型表面の光学的な変化から調べる試験だ。

NASAによると、低酸素環境で自由に動く大型模型への適用は今回が初めてとなる。既存の計測手法を、この環境と模型の運動条件を組み合わせた試験へ広げた。

圧力を明るさに置き換えて撮影する

非定常感圧塗料(uPSP)は、翼に加わる空気流の圧力に応じて明るさが変わる塗膜だ。今回の試験では、紫外線を当てた模型がピンクがかった紫色に発光し、その明るさの変化を高速カメラが記録した。

NASAの感圧塗料による計測では、撮影した明るさをスーパーコンピューターが圧力値へ変換する。光の強さを数値に置き換える処理によって、画像を圧力の計測データとして利用する。

点の計測から表面の圧力へ

従来の圧力センサーは、模型表面に設けた個々の測定点の値を取得する。測定点の間にある圧力は数学モデルで推定するが、感圧塗料では塗布した表面の明るさから圧力を読み取る。

NASAによると、uPSPは流れの乱れによる影響をより細かく捉えることができる。従来の感圧塗料で調べていた比較的滑らかな流れに加え、乱れた流れも計測の対象となる。

共通の翼模型から柔軟な模型の試験へ

今回使った標準翼模型は、特定の航空機を再現するものではない。風洞データによって計算モデルを改善するための共通模型であり、塗膜の明るさから得られるデータも計算モデルに利用する。

NASAは今回の適用を、柔軟な航空機模型の今後の試験につなげるとしている。次の対象は、飛行中に曲がって形状を変えるように設計された模型だ。