利用者の聴感特性を測り、個人別データに合わせてスタジオの音場をヘッドホンで再現する制作環境がサービス化される。ソニーの立体音響技術360VMEは、日米3スタジオでの測定と専用ソフトウェアの提供を6月に始める予定だ。
スタジオで聴こえ方を測り、個人別データにする
立体音響技術の360 Virtual Mixing Environment(360VME)は、制作の基準となるスタジオの音場をヘッドホンで再現するため、利用者ごとの測定を組み込む。ソニーは、立体音響の制作では複数のスピーカーを備えたスタジオが使われることが多く、対応する施設の少なさが課題だったとしている。
測定サービスでは、利用者がスタジオで聴感特性などの測定を受ける。その測定結果から個人に最適化したプロファイルデータを作り、ヘッドホン再生の処理へ渡す。
個人別プロファイルから16チャンネルの音場を再現
専用ソフトウェアは、測定で作ったプロファイルを使って音をヘッドホン向けにレンダリングする。ソニーによると、この処理によってスタジオの音場を仮想的に再現することができるという。
再現する音場の具体例が、東京の制作スタジオMIL Studioだ。ソニーは、このスタジオの16チャンネル再生環境を360VMEで再現するとしている。
音場再現を制作ソフトウェアへ接続する
ヘッドホン向けの音場再現は、音声制作ソフトウェアのDigital Audio Workstationと、制作プラグインの360 WalkMix Creatorに連携する形で利用する。制作側のソフトウェアと、個人別プロファイルを用いる再生側の処理を接続する構成だ。
この制作プラグインはAudio Futuresが提供し、主要なDigital Audio Workstationで立体音響コンテンツの360 Reality Audioを制作できる。360VMEの専用ソフトウェアは、その制作環境でスタジオの音場をヘッドホンに再現する役割を担う。
日米3拠点で測定し、ソフトウェアを提供
ソニーは測定とソフトウェア提供の拠点として、MIL Studio、ニューヨークの制作スタジオThe Hit Factory、ロサンゼルスの制作スタジオGold Diggers Soundとパートナーシップを締結した。利用者には、スタジオでの測定を終えた後に、そのスタジオから専用ソフトウェアが提供される。
3拠点でのサービス開始は6月を目途としている。具体的な提供開始時期は、利用するスタジオに確認する必要がある。