SAR衛星群の観測容量を地域・経路ごとに割り当て、優先利用と余剰容量の共有を両立する計画が示された。Synspectiveの新プログラムは、既存衛星群とは別に専用衛星群を整備し、両者を組み合わせて観測機会を増やす構想だ。
地域別の優先権と余剰容量の共有を組み合わせる
SAR衛星のデータ・解析サービスを提供するSynspectiveは、衛星群の能力を複数の利用者で共有するプログラム「Synspective OMNIA」を発表した。参加顧客は、特定の地域・経路について優先観測権とデータ取得権を確保する方式となる。
容量の割り当てでは、顧客が必要な地域・経路のデータ容量を保有・管理し、余剰分を他の顧客と共有する。追加の需要には共有容量の随時購入で対応し、優先的に確保する容量と必要時に購入する容量を組み合わせる。
既存のStriX衛星群に専用衛星群を追加する
この共有方式を支える宇宙側の設備として、SynspectiveはOMNIA専用の衛星群を新設する計画だ。30機超を目指して構築中の小型SAR衛星シリーズStriXによる衛星群とは別に整備し、両者を組み合わせて観測頻度、冗長性、地域カバー範囲を高めるとしている。
既存衛星群の整備では、9月2日に11機目のStriXが軌道へ投入され、衛星群に加わった。この衛星はサービス投入前に数カ月かけて試験と初期調整を行い、観測能力を確認する予定である。
別衛星による補完と顧客地上局への直接送信
衛星群の冗長性について、Synspectiveは個別の衛星が故障した場合に別の衛星で観測を補完する方式を説明している。複数の衛星を使った補完によって、運用の継続を図る構成だ。
観測データの受信経路には、顧客自身の国内地上局への直接送信も加える計画である。これは高い機密性や顧客側の環境での直接管理を求める防衛・情報機関向けの対応として位置付けられている。
衛星の更新・補充と用途別の解析を組み込む
OMNIAでは、Synspectiveが最新世代の衛星による更新と補充を担う。観測容量を提供する衛星群の維持には、新しい世代の衛星を投入する役割も含まれる。
提供対象には観測容量に加えてSARデータ解析技術も組み込む設計だ。解析ソリューションを顧客の目的に合わせて導入・カスタマイズし、取得データを用途に応じた情報へ加工する。