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3D DRAM向け酸化物半導体トランジスター、8層積層で動作確認

この記事のポイント

  1. 実現したこと

    3D DRAM向けの横型トランジスターを8層積層した試作構造で、トランジスター動作を確認した。

  2. 実現の仕組み

    酸化シリコン膜と窒化シリコン膜を積層し、窒化膜領域を酸化物半導体へ置き換えて横型トランジスターを一括形成する。

  3. 得られた結果

    置換工程で形成した横型トランジスターは、キオクシアの測定でオン電流30 μA超、オフ電流1 aA未満を示した。

  4. 従来との違い

    縦型トランジスターを使うDRAM技術OCTRAMに、横型トランジスターを高さ方向に積層する構成が加わった。

酸化シリコン層と窒化シリコン層の積層構造が、酸化物半導体の水平チャンネルを持つ8段の断面構造へ置き換わる様子を描いた編集イラスト。
AI生成画像

酸化物半導体の横型トランジスターを高さ方向に8層積層し、構造内での動作が確認された。キオクシアは、積層した窒化膜を酸化物半導体へ置き換える工程で、3D DRAM向けのトランジスターを一括形成した。

窒化膜を置き換えて横型トランジスターを一括形成

キオクシアが2024年に発表したDRAM技術OCTRAMは、酸化物半導体の縦型トランジスターを使う。今回の積層技術では、横型トランジスターを複数の高さに形成するため、まず酸化シリコン膜と窒化シリコン膜を積み重ねる。

積層後に窒化シリコンの領域を酸化物半導体InGaZnOへ置き換えると、横型トランジスターが高さ方向に一括形成される。この置換工程が、OCTRAMを3D積層するための製造手法となる。

8層の試作構造でトランジスターが動作

キオクシアは、横型トランジスターを8層積層した構造を作製し、その内部のトランジスターが動作したとしている。確認した成果は、3D DRAMを構成するための積層トランジスターの動作である。

積層に向けて、垂直方向のピッチ、つまりセルを高さ方向に並べる間隔を縮小できる新しい3Dメモリーセル構造も導入した。トランジスターを複数層へ形成する工程に、積層間隔を縮めるためのセル構造を組み合わせている。

オン電流30 μA超とオフ電流1 aA未満を確認

キオクシアの測定では、置換工程で形成した横型トランジスターのオン電流は30 μAを超えた。電流を流す状態での特性に加え、オフ状態で流れる電流も測定した。

オフ電流は1 aA未満だった。1 aAは10⁻¹⁸ Aに相当し、この横型トランジスターでは高いオン電流と極めて低いオフ電流の両方が示された。

積層コストとリフレッシュ電力の低減を狙う

キオクシアは、従来のDRAMで使う単結晶シリコンを積層セルのトランジスターチャネルに用いると、製造コストが増大すると説明している。酸化膜と窒化膜を利用する置換工程と新しいセル構造には、この3D積層に伴うコスト課題を解決することを期待している。

電力面では、酸化物半導体の低いオフ電流を、DRAMのデータを保持するためのリフレッシュ電力の低減につなげる狙いがある。キオクシアは電力低減を期待する効果として位置付けており、今回示した測定結果はトランジスターの電流特性である。