650V GaN半導体の放熱経路を上面と下面へ広げ、パッケージを8mm角に小型化した。従来のTOLTより実装面積を57%縮小し、800Vから48Vへ変換する6kW電源では2.6kW/in³の電力密度を確認した。
上面と下面へ放熱経路を広げる
ルネサス エレクトロニクスの電源用GaN半導体TP65H020G4PLSGBDは、650Vクラスのデバイスを8×8mmのPQFNパッケージに収めた。上面と下面の両方から放熱する両面冷却を採用し、上面だけで冷却する従来パッケージから放熱経路を広げている。
ルネサスによると、この変更で上面側の熱インピーダンスを10%低減した。パッケージの実装面積も、従来の10×15mmのTOLTに対して57%小さくなった。
シリコン用ドライバーでMHz帯の駆動に対応
新デバイスのオン抵抗は20mΩで、ゲート電荷と出力容量も低く抑えている。内蔵フリーホイールダイオードは逆回復が小さく、ゲートのしきい値電圧は負のゲートバイアスを必要としない高さを持つ。
ルネサスによると、駆動には標準的なシリコン用ゲートドライバーを利用できる。MHz帯までスイッチング周波数を高めることで、電源回路の受動部品を小型化することができるという。
6kW電源で電力密度と全負荷効率を確認
両面冷却の新デバイスを組み込んだリファレンス設計では、800Vから48Vへ変換する6kWの電源回路を構成した。回路方式はLLC DC transformer(DCX)で、制御にはMCUのRA6T3を用いている。
ルネサスの検証では、この回路の電力密度は2.6kW/in³に達した。モジュール単位で測定した全負荷効率は、同等のTOLT採用基板より0.21%高かった。
中間バス変換とバックアップ電源に向けてサンプル供給
新デバイスは、AIデータセンターの800V DC電源構成で、中間バスコンバーターに使うことを想定している。変換先は48Vに加えて12Vと6Vで、電源ラックのバッテリーバックアップやコンデンサーバンクも対象用途に含む。
主要なAIデータセンター向けOEM・ODMにはサンプル供給を開始している。量産は2027年半ばを予定している。