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電源用650V GaN半導体に8mm角の両面冷却パッケージ

この記事のポイント

  1. 実現したこと

    新しい650V GaN半導体を組み込んだ6kW電源で、800Vから48Vへの変換を検証した。

  2. 実現の仕組み

    パッケージの上面と下面から放熱し、上面側の熱インピーダンスを従来の上面冷却方式より10%低減する。

  3. 得られた結果

    ルネサスのモジュール試験では、全負荷効率が同等のTOLT採用基板より0.21%高かった。

  4. 従来との違い

    パッケージを従来の10×15mmのTOLTから8×8mmのPQFNへ小型化し、実装面積を57%縮小した。

電源変換基板上の小型GaN半導体パッケージを中心に、上側の冷却板と基板下の冷却面へ熱が伝わる様子を示したデータセンター電源の概念イラスト。
AI生成画像

650V GaN半導体の放熱経路を上面と下面へ広げ、パッケージを8mm角に小型化した。従来のTOLTより実装面積を57%縮小し、800Vから48Vへ変換する6kW電源では2.6kW/in³の電力密度を確認した。

上面と下面へ放熱経路を広げる

ルネサス エレクトロニクスの電源用GaN半導体TP65H020G4PLSGBDは、650Vクラスのデバイスを8×8mmのPQFNパッケージに収めた。上面と下面の両方から放熱する両面冷却を採用し、上面だけで冷却する従来パッケージから放熱経路を広げている。

ルネサスによると、この変更で上面側の熱インピーダンスを10%低減した。パッケージの実装面積も、従来の10×15mmのTOLTに対して57%小さくなった。

シリコン用ドライバーでMHz帯の駆動に対応

新デバイスのオン抵抗は20mΩで、ゲート電荷と出力容量も低く抑えている。内蔵フリーホイールダイオードは逆回復が小さく、ゲートのしきい値電圧は負のゲートバイアスを必要としない高さを持つ。

ルネサスによると、駆動には標準的なシリコン用ゲートドライバーを利用できる。MHz帯までスイッチング周波数を高めることで、電源回路の受動部品を小型化することができるという。

6kW電源で電力密度と全負荷効率を確認

両面冷却の新デバイスを組み込んだリファレンス設計では、800Vから48Vへ変換する6kWの電源回路を構成した。回路方式はLLC DC transformer(DCX)で、制御にはMCUのRA6T3を用いている。

ルネサスの検証では、この回路の電力密度は2.6kW/in³に達した。モジュール単位で測定した全負荷効率は、同等のTOLT採用基板より0.21%高かった。

中間バス変換とバックアップ電源に向けてサンプル供給

新デバイスは、AIデータセンターの800V DC電源構成で、中間バスコンバーターに使うことを想定している。変換先は48Vに加えて12Vと6Vで、電源ラックのバッテリーバックアップやコンデンサーバンクも対象用途に含む。

主要なAIデータセンター向けOEM・ODMにはサンプル供給を開始している。量産は2027年半ばを予定している。