送電線に沿ってドローンを自動飛行させる制御モジュールが、小型機にも搭載できるようになった。小型モデル「BEPラインmini」は、機材を持ち込みにくかった山間部などへの展開に対応する。
軽量化で小型ドローンにも対応
ブルーイノベーションが開発した送電線点検用の小型モジュール「BEPラインmini」は、重量を従来の750gから200g未満へ減らした。対応機体は、大型ドローンのDJI Matrice 350などに加え、小型ドローンのDJI Matrice 30などへ広がった。
小型機への対応は、点検機材の運搬という現場の課題を受けた変更だ。ブルーイノベーションが2023年6月以降の49件の問い合わせを分析した結果、最も多かった要望は、持ち運びが容易な小型機での運用だった。小型・軽量化により、機材運搬が難しかった山間部や狭隘地にも展開できるとしている。
送電線との距離を測って追従する
送電線点検システム「BEPライン」は、ドローンと送電線追従制御モジュールを組み合わせる。制御モジュールは送電線までの距離をリアルタイムで計測し、一定距離を維持しながら送電線に沿って自動飛行する。
ブルーイノベーションは、地形やたわみによって三次元的に複雑な形状を持つ送電線の点検には、高度な操縦技術が求められると説明している。自動追従による近接点検では高解像度カメラを使い、目視では確認が困難な微細な異常の把握にも対応するとしている。
点検時間と運用人数の削減を示す
ブルーイノベーションは、小型モデルの運用効果として、1径間あたりの点検時間を3時間から1.5時間へ約半減するとしている。運用人員についても、従来の3名体制から2名体制へ最適化するとしており、時間と人数の両面で点検作業の負担を減らす数値を示した。
実運用中の点検システムに小型モデルを追加
小型モデルの基盤となるBEPラインは、東京電力ホールディングスとテプコシステムズとの共同開発を起点とする。約3年間の実証を経て実運用へ移行し、ブルーイノベーションによると、複数の電力会社で導入案件が20件を超えている。
提供方式は、モジュールを貸与するサブスクリプション形式だ。利用者はモジュールを購入せずに導入することができる。