EVの駆動、充電、電源管理など8機能を、1個のマイコンと1個の電源管理ICで制御する概念実証が完成した。ルネサス エレクトロニクスとニデックが共同開発し、システムレベルの動作試験を終えた。
駆動ユニットに充電と電源管理を組み込む
EV用駆動ユニットのE-Axleは、駆動モーター、減速機、インバーターを組み合わせる。ルネサス エレクトロニクスとニデックが共同開発した「8-in-1」の概念実証は、この構成に充電や電源管理の機能を加えた。
追加したのは、DC/DCコンバーター、車載充電器、電力分配ユニット、バッテリー管理システム、車両用PTCヒーター制御の5機能だ。駆動側の3機能と合わせた8機能を、単一のマイコンで制御する。
マイコンと電源管理ICを各1個へ集約
ルネサスによると、一般的な構成では各機能の制御に専用のマイコンと電源管理ICを使う。今回の概念実証では、それぞれ1個で8機能全体を制御する構成へ集約した。
制御には車載用32ビットマイコンRH850/U2Bを使い、その電源をマイコン用の電源管理ICが担う。ルネサスは、この制御統合によって部品数、コスト、サイズを削減したとしている。
駆動用インバーターは70〜100kW
統合した電力変換部分について、ルネサスが示したインバーターの出力は70〜100kW、最高効率は99%以上だ。この効率値は、8機能全体ではなくインバーターの性能を示す。
充電と電源変換の部分には、充電電力6.6kWの車載充電器と、出力1.5kWのDC/DCコンバーターを組み込んだ。駆動用の電力変換とともに、これらも単一マイコンによる制御の対象となる。
システム試験を終えた参照設計を展開へ
ニデックはモーターと減速機を提供し、ルネサスは半導体や参照設計などを提供した。ルネサスは、組み合わせた概念実証のシステムレベルの試験を完了し、動作性能を確認したとしている。
検証を終えた参照設計は、機能数の異なる統合システムへ展開する計画の基になる。ルネサスは、この設計を基に、さまざまな機能数のシステム向けに一式の半導体ソリューションを提供する予定だ。