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ナビの経路分散で混雑区間の走行速度が約2%向上

この記事のポイント

  1. 実現したこと

    米国10都市で、ナビを介して都市全体へ経路変更を適用する実験を実施した。

  2. 実現の仕組み

    混雑区間を通る経路の評価を変え、所要時間と道路の種類が近い代替経路へ誘導した。

  3. 得られた結果

    交通が減った区間と増えた区間を合わせても、走行速度は中央値で約0.35%改善した。

  4. 従来との違い

    アトランタでは、中心部の幹線道路に集中していた交通が周辺部の多数の区間へ分散した。

中央の幹線道路を走る車の一部が周辺の複数の街路へ分かれ、都市内の道路に交通が分散する様子を描いた俯瞰の編集イラスト。
AI生成画像

ナビが少数の移動を別経路へ誘導すると、道路網の走行速度が改善した。Googleの米国10都市での実験では、推奨経路が変わった移動は観測全体の2%未満で、対象の混雑区間における速度改善率は中央値で約2%だった。

所要時間が近い経路へ交通を振り分ける

Googleは、ナビサービスGoogle Mapsの経路選択を変更し、米国の主要10都市で交通への影響を調べた。介入対象には過去の混雑傾向から各都市で約100の道路区間を選び、繰り返し交通が詰まる場所や、需要のピーク時に交通密度が高くなる場所を対象とした。

経路探索では、これらの混雑区間を通る経路の評価上のコストを変更した。その評価に基づき、所要時間と道路区間の種類が近い代替経路を優先し、選定した区間へ向かう交通を別の経路へ誘導した。

都市全体で介入日と通常日を切り替える

経路変更の効果を比べるため、6カ月間の実験では介入ありの日と通常の経路選択の日を連日切り替えた。切り替えの単位は都市全体で、個々の移動を無作為に選んで介入する方式ではなかった。

介入日には、選定した混雑区間に出会う移動を代替経路へ誘導した。実際に推奨経路が変わった移動は観測全体の2%未満で、この少数の変更が道路区間の速度へ与える効果を評価した。

都市と時間帯を合わせて速度変化を推定する

効果の分析には階層ベイズモデルを用いた。この統計モデルは都市全体と時間帯別のパラメーターを同時に扱い、都市や時間帯の間で情報を共有することで、それぞれの群の効果を推定した。

Googleの分析では、都市を平均して評価した対象区間の走行速度の改善率は、中央値で約2%だった。この値は介入対象として選んだ混雑区間の結果であり、道路網への広がりは、交通の移動先を含む別の範囲で評価した。

交通の移動先を含めても速度が改善

交通が減った区間と増えた区間を合わせた影響区間全体では、走行速度の改善率は中央値で約0.35%だった。朝夕の交通量が最も多い時間帯には約0.5%となり、対象の混雑区間より広い範囲でも速度改善が確認された。

アトランタでの経路変更は、都市中心部を通る幹線道路から、主に周辺部へ広がる多数の区間に交通を移した。少数の交通量が多い区間への集中が減り、移動先では各区間に加わる交通量が小さく分散した。