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ヤマハの二輪車用シリンダー、再生アルミ合金が全機能要件を満たす

この記事のポイント

  1. 実現したこと

    二輪車用のオールアルミ製シリンダーに向け、従来と同じ製造工程で使える再生アルミ合金を開発した。

  2. 実現の仕組み

    熱力学計算を使って、バージン材に匹敵する特性を持つ再生アルミ合金を設計した。

  3. 得られた結果

    ヤマハ発動機のベンチ試験と車両評価で、再生合金がシリンダーの全機能要件を満たした。

  4. 従来との違い

    再生合金を使ったシリンダーでも、シリコンの大きさと分布がバージン材と同程度になり、同等の金属組織の均質性を達成した。

作業台に置かれた二輪車用アルミ製シリンダーと、均質な金属組織を示す模式的な拡大図。背景には二輪車のエンジンが見える。
AI生成画像

二輪車用のオールアルミ製DiASilシリンダーで、従来の製造工程に対応する再生アルミ合金の実用化が決まった。ヤマハ発動機は、熱力学計算による材料設計とベンチ試験・車両評価を経て、全機能要件を満たしたと確認した。

鉄スリーブを使わない構造が求める材料品質

ヤマハ発動機の二輪車に使われるDiASilシリンダーは、鉄スリーブやめっき処理を必要としないオールアルミ製の部品だ。その材料には、金属組織や表面性状、耐食性などの品質基準がある。

従来の再生材では、微量に含まれる不純物によって、これらの基準を満たすことが難しかった。このため、シリンダーの原材料にはバージンアルミ合金を使ってきた。

熱力学計算で設計し、金属組織の均質性を確保

この品質上の課題に対し、ヤマハ発動機は熱力学計算を使って再生アルミ合金を設計した。開発した合金はバージン材に匹敵する特性を持ち、従来と同じ製造工程で部品を作れるという。

ヤマハ発動機によると、再生合金を使ったシリンダーでは、金属組織内のシリコンの大きさと分布がバージン材と同程度になった。これにより、金属組織の均質性もバージン材と同等に達したとしている。

ベンチ試験と車両評価を経て実用化を決定

材料設計に続き、ヤマハ発動機はベンチ試験と車両評価を繰り返した。その評価で、開発した再生合金がDiASilシリンダーに必要な全機能要件を満たすことを確認した。

この評価結果を受け、再生合金の実用化を決めた。材料の切り替えは、インドネシアで生産するコミューターモデルから始め、世界へ展開する計画だ。

全製品の切り替え完了時に年間4万7000トンのCO₂削減を試算

材料の切り替え対象は、DiASilシリンダーを採用するすべての製品だ。ヤマハ発動機は、その切り替えを2030年に完了する予定としている。

全製品の切り替え完了時には、年間約4万7000トンのCO₂排出量削減を見込む。この値は、材料の切り替えによって得られる削減効果についてのヤマハ発動機の試算だ。