Technology

小型航空エンジン、水素のみで着火から停止まで安定運転

この記事のポイント

  1. 実現したこと

    小型航空エンジンが、水素のみを燃料に着火から停止までの運転動作を実施した。

  2. 実現の仕組み

    新たに開発した水素用燃焼器などをエンジンに搭載し、水素燃焼運転を行った。

  3. 得られた結果

    川崎重工業は、回転上昇・降下と定常運転を含む一連の動作で安定運転を確認した。

  4. 従来との違い

    従来燃料用の自社製小型航空エンジンを、水素燃焼試験用の構成に変更した。

水素供給管につながれた小型航空エンジンの燃焼器を断面で示す編集イラスト。地上試験台に据えられたエンジン内部で淡い炎が燃えている。
AI生成画像

従来燃料用の小型航空エンジンに水素用燃焼器などを搭載し、水素のみで着火から停止まで運転する地上試験が成功した。川崎重工業は、回転数を上げ下げする動作と定常運転を含め、安定した運転を確認したとしている。

従来燃料用エンジンに水素用燃焼器を搭載

川崎重工業が試験に使ったのは、自社製の従来燃料用小型航空エンジンだ。このエンジンに新たに開発した水素用燃焼器などを搭載し、水素を燃焼させて運転する構成に変更した。

回転数の変化を含め、水素のみで一連の動作を確認

変更したエンジンの運転試験は、秋田県にある宇宙航空研究開発機構(JAXA)の能代ロケット実験場で実施した。燃料には水素のみを使い、着火、回転上昇、定常運転、回転降下、停止の順に動作させた。

川崎重工業は、この一連の動作で安定したエンジン運転が可能であることを確認したとしている。確認した範囲には、一定の回転を保つ運転に加え、回転数を変化させる動作も含まれる。

燃焼器の試験と並行して燃料タンクと機体構造を開発

今回の試験は、川崎重工業が2021年から進める開発事業「水素航空機向けコア技術開発」のうち、エンジン燃焼器・システム技術の開発に位置付けられる。事業では、この開発と並行して液化水素燃料貯蔵タンクの開発と、水素航空機の機体構造の検討も進めている。

2030年の地上実証で統合システムを評価

川崎重工業は、開発したコア技術を統合したシステムについて、2030年に地上実証試験を行う計画だ。この試験で、システムとしての成立性と性能を評価する。