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約−240℃の水素ガスを直接吸入する圧縮機、川崎の液化水素基地に採用

この記事のポイント

  1. 実現したこと

    IHIによると、採用された圧縮機は約−240℃の水素ガスを直接吸入できる。

  2. 実現の仕組み

    シリンダの真空ジャケットが熱の侵入を抑え、外表面での空気の液化を防ぐ。

  3. 得られた結果

    液化水素の貯蔵中に発生する気化ガスを処理する圧縮機として、川崎LH₂ターミナル向けの採用が決まった。

  4. 従来との違い

    LNG向け機器の知見と試作機の成果を活用して開発した水素用圧縮機が、商用化実証の基地向けに採用される段階へ進んだ。

液化水素貯蔵タンクから圧縮機へ水素ガスが流れ、断面に示された真空ジャケットと3室の隔離構造を経て供給配管へ向かう編集イラスト。
AI生成画像

約−240℃の水素ガスを直接吸入・圧縮する機器が、建設中の液化水素基地「川崎LH₂ターミナル」向けに採用された。真空断熱と3室の隔離構造を備え、貯蔵中に発生する気化ガスの処理を担う。

貯蔵中に発生するガスを圧縮して供給へつなぐ

液化水素の貯蔵中に発生する気化ガスは、ボイルオフガス(BOG)と呼ばれる。IHIによると、IHI回転機械エンジニアリングが手掛ける液化水素用のLH₂ BOG圧縮機は、このガスをタンクから直接吸入・圧縮し、タンク内の圧力を適正に維持する。圧縮したガスは、パイプラインを通じた需要家への供給を支える。

真空断熱で約−240℃のガスを直接吸入する

極低温のガスを受け入れるシリンダには、真空断熱構造の真空ジャケットを採用している。IHIは、この構造が周囲からの熱の侵入を抑え、外表面での空気の液化を防ぐことで、約−240℃の水素ガスを直接吸入できるとしている。

3室構造で水素と潤滑油の系統を隔離する

圧縮機の中間筒は3室構造とし、水素ガス系統と潤滑油系統を段階的に隔離する。水素ガスの漏えいや潤滑油への混入を防ぐための構成である。ガスに接する主要部材には極低温水素に対応する材料を採用し、この環境での耐久性と信頼性を確保する設計としている。

LNG向けの知見と試作成果を基地向け機器へ

IHI回転機械エンジニアリングは、液化天然ガス(LNG)の受入基地向けBOG圧縮機で培った知見に、自社開発のプロトタイプ機で得た成果を加え、極低温水素を直接吸入・圧縮する技術を開発してきた。この圧縮機は、川崎重工業が神奈川県川崎市扇島で建設を進める液化水素基地「川崎LH₂ターミナル」向けに採用された。