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計算時の排熱を95%超回収する液冷技術、Intelが公表

この記事のポイント

  1. 実現したこと

    5G通信設備を収めるIP66筐体に、CPU・GPU向けの液冷技術が組み込まれた。

  2. 実現の仕組み

    発熱する計算コアの位置情報を使い、微小な噴流で高温部へ冷却液を送る。

  3. 得られた結果

    Intelは、計算で散逸するエネルギーの95%超を回収し、温水として利用できるとしている。

  4. 従来との違い

    Intelによると、この冷却を使うXeon CPUのオーバークロックでは、電力を270Wから900Wへ引き上げられるようになった。

屋外用通信設備の筐体内で、CPU・GPUを冷却する液体の流れが熱交換器を通り、温水の配管として筐体外へ続く様子。拡大図では微小な噴流がプロセッサーの高温部に当たっている。
AI生成画像

CPU・GPUの高温部へ冷却液を送る液冷技術が、冷却と排熱回収を結び付けた。Intelによると、計算で散逸するエネルギーの95%超を回収し、温水として別の場所へ供給することができるという。

計算コアの位置に合わせて冷却液を送る

冷却技術を開発したNexalusとIntelは、サーバー向けプロセッサーのIntel Xeonを対象に共同設計を進めた。熱交換器とコールドプレートに、冷却液を微小な噴流として送る仕組みを組み合わせ、CPU・GPUの最も高温になる部分を冷やす。

冷却する場所の選定には、Intelが共有したCPUの設計情報を使った。高負荷時に発熱する計算コアの位置が、Nexalusのアルゴリズム開発と、チップの特定部位を狙う冷却の最適化につながった。

回収した排熱を温水の熱源にする

Intelは、この液冷技術で計算時に散逸するエネルギーの95%超を回収できるとしている。この割合が指すのは排熱の回収であり、計算機全体の消費電力の削減率ではない。

回収した熱は温水に変え、別の場所で熱源として利用することができるという。冷却によって取り出した熱を、温水という形で再利用する経路まで備えている。

屋外向け筐体に組み込み、温度負荷を試験

液冷技術は、5G通信設備を収めるスーツケース大のIP66筐体に組み込まれている。屋外向けの密閉筐体内で、CPU・GPUを冷却する構成だ。

Intelは実環境を想定した条件でCPU・GPU・メモリーを極端な温度負荷にさらし、性能と電力への影響を評価した。集中的な試験は最大9カ月に及び、過酷な環境での故障や、CPUが動作速度を抑えるスロットリングを防ぐことを目標に実施した。

XeonのオーバークロックとF1の解析に利用

Intelによると、Nexalusの冷却を使うXeon CPUのオーバークロックでは、顧客が性能上の問題なく電力を270Wから900Wへ引き上げることができるという。この数値はCPUの電力を表し、処理性能の倍率を示すものではない。

冷却技術は解析用途にも使われている。複数のF1チームが、Nexalusの冷却を使うIntel製品で有限要素解析のシミュレーションを実行している。