一般制御と安全制御を一台で担う安全プログラマブルコントローラー「MELSEC iQ-Rシリーズ」が、EU機械規則の型式審査認証を取得した。故障時の安全確保に加え、不正アクセスやソフトウェア改ざんへの対策を備え、サイバーセキュリティ要件を含む規則への適合が確認された。
故障を検出し、安全に運転を止める
三菱電機の安全プログラマブルコントローラー「MELSEC iQ-Rシリーズ」は、独立認証機関のTÜV RheinlandからEU機械規則の型式審査認証を取得した。この認証は、対象のコントローラーが規則の要件に適合することを確認するもので、三菱電機のファクトリーオートメーション事業では初の取得となる。
安全プログラマブルコントローラーは、故障を検出し、自ら安全に運転を停止する機能を持つ。こうした停止機能を必要とする、機械・設備の非常停止システムなど、故障が人身事故につながり得るシステムで広く使われている。
一台の制御装置から駆動機器へ接続
三菱電機によると、認証を取得したコントローラーは、一台で一般制御と安全制御を実行できる。駆動機器との接続には産業用ネットワークのCC-Link IE TSNを使い、サーボやインバーターなどを接続することができる。
CC-Link IE TSNは、工場内の機械・設備を高速・高精度に接続する産業用Ethernetである。制御通信と情報通信を一つのネットワークで扱う構成を持つ。
ソフトウェアと接続経路も安全要件の対象に
EU機械規則は、既存の物理的な機能安全の要件に加え、ソフトウェア、ネットワーク接続、遠隔アクセスに関するサイバーセキュリティ要件を導入した。制御装置の適合を確認する範囲には、これらの要件も含まれる。
三菱電機によると、認証対象のコントローラーは、安全性を高める設計に加え、不正アクセスやソフトウェア改ざんなどのサイバー攻撃を防ぐ対策を備える。一般制御と安全制御の実行能力、駆動機器との接続、安全設計とサイバー対策を備えた装置として、型式審査認証を取得した。
2027年の適用義務化へ、機械側の適合負担軽減を目指す
EU機械規則は、欧州市場に投入される機械や関連製品の安全を規定し、製造者に要件への適合を求める。現行のEU機械指令に代わり、2027年1月20日から適用が義務化される。
三菱電機は、欧州市場向けにこのコントローラーを組み込む機械・設備について、設計や検証、規則への適合確保に関わる負担の軽減を目指している。今回取得したのは制御装置の型式審査認証であり、機械・設備側の負担軽減は取り組みの目標として位置付けている。