一般廃棄物をガス化し、エタノール製造の原料となる合成ガスへ改質するシステムが、日本環境衛生センターの技術検証で実用化可能な技術水準と評価された。砂を流動化するガス化炉から溶融炉、改質炉へ処理をつなぎ、タールなどを低分子化する。
破砕・乾燥したごみを流動する砂でガス化
三菱重工環境・化学エンジニアリングの流動床式ガス化改質システムは、一般廃棄物を破砕・乾燥してからガス化する。中核となる処理設備は、流動床ガス化炉、縦型旋回溶融炉、改質炉の3つで構成される。
最初のガス化炉では、水蒸気と酸素を使って比較的低温に保った砂を流動化し、安定したガス化を行う。不燃物は砂とともに炉底から取り出され、生成した熱分解ガスと炭化した未燃物は溶融炉へ進む。
溶融炉で未燃物をガス化し、灰をスラグに
縦型旋回溶融炉は、前段で生成した熱分解ガスと炭化した未燃物を部分燃焼・ガス化する。この段階で灰は溶融スラグへ変換される。
溶融炉で生じたガスは、次の改質炉へ送られる。改質炉はそのガスを比較的高温に保ち、タールなどを低分子化する。
改質後の合成ガスをエタノール原料に
高温で改質された合成ガスは、一酸化炭素と水素を含み、エタノール製造の原料となる。このシステムが担うのは、ごみから原料ガスへの変換である。
三菱重工業は、エタノール製造に適した、ダストとタールの少ない合成ガスを安定供給できることを特徴としている。その供給に向けた処理経路を、ガス化、溶融、改質の各炉が構成する。
4回の審査を経て実用化可能な技術水準に
この廃棄物処理システムは2025年に日本環境衛生センターの検証事業へ申請され、技術検証委員会による計4回の審査を受けた。三菱重工業によると、検証結果は技術的に実用化可能な水準を示しており、三菱重工環境・化学エンジニアリングは技術検証書を受領した。
システムの基盤となる流動床式ガス化溶融炉は、国内4施設で稼働している。この基盤技術には20年の安定運転実績がある。