産業用MPUのRZ/T2MとRZ/N2Lに、同期通信のPROFINET IRTと駆動制御用のPROFIdriveに対応する認証済みソフトウェアが加わった。通信スタックは制御装置との周期的なデータ交換を担い、駆動制御の実装例は速度指令やパラメーター交換、状態管理まで備える。
同期通信をサーボ制御とゲートウェイ向けMPUへ
ルネサス エレクトロニクスは、産業用MPUのRZ/T・RZ/Nシリーズ向けに、PROFINET IRTとPROFIdriveに対応する認証済みソフトウェアを提供した。この組み合わせへの対応は、ルネサスの認証済みPROFINETソフトウェアとして初めてとなる。初期版はサーボモーター制御向けのRZ/T2Mと、産業用インターネットゲートウェイ向けのRZ/N2Lを対象にする。
産業用Ethernet通信方式のPROFINET IRTは、時間制約のあるデータを正確に転送し、サーボ駆動やモーション制御を支える。ルネサスは、この通信を実装するSiemensの開発キット「PROFINET IRT Device Development Kit」を対象デバイスへ統合した。
周期データと機器の状態通知を同じ通信スタックで扱う
通信スタックはPROFINET RTにも対応し、制御装置に当たるPROFINET IOコントローラーと周期的にデータを交換する。交換するデータに加え、診断、プロセス、状態、機器の挿抜に関するアラームも扱う。
起動とネットワーク構成に関わる機能として、高速起動とShared Deviceに対応する。冗長化については、メディア冗長化のMRPとシステム冗長化のS2を備える。
速度指令とパラメーター交換をPROFIdriveで実装
通信で運ぶ駆動制御用データは、データ交換の規約であるPROFIdriveが標準化する。対象には速度、トルク、位置などのパラメーターが含まれる。ルネサスはApplication Class 4の認証済み実装例を用意し、速度指令値のインターフェースを持つ駆動オブジェクトを組み込んだ。
この実装例は、標準化された通信データ形式のテレグラム1・2・3を使って周期的にデータを交換する。非周期的なデータ交換にはPROFIdriveパラメーターチャネルを使い、周期通信と別の交換経路にも対応する。
駆動装置の状態管理を含む実装例と評価用バイナリー
駆動制御の実装例は、PROFIdriveの診断機能と、駆動装置の状態遷移を扱うGeneral State Machineを実装している。エンコーダーチャネルにも状態遷移の処理を備え、駆動制御システムのシミュレーションを含む。
RZ/T2MとRZ/N2L向けのPROFINETスタックは、評価用バイナリーとして公開されている。商用利用のライセンスは、第三者を介さずルネサスから直接取得できる。