Technology

EV向け電動冷凍機、主要部品を分けて搭載の自由度を高める

この記事のポイント

  1. 実現したこと

    電動輸送用冷凍機TEU1400MAは、1台の車両で異なる温度帯の貨物を同時に輸送できる。

  2. 実現の仕組み

    TEUシリーズは、分岐冷媒で主流の冷媒を冷却し、圧縮機の中間段へ注入して冷凍能力を高める。

  3. 得られた結果

    三菱重工サーマルシステムズによると、TEUシリーズは従来型TUシリーズ比で本体体積を約30%、重量を55%削減した。

  4. 従来との違い

    TEUシリーズでは、三菱重工サーマルシステムズの製品群で初めて、主要部品を分けたモジュール構造を採用した。

電動輸送用冷凍機TEUシリーズは、凝縮器・蒸発器・圧縮機を小型モジュールに分け、バッテリー配置による制約がある電気自動車への搭載自由度を高めた。小型化と大型トラック向けの冷凍能力を両立する製品として、欧州で販売が始まった。

主要3部品を分け、車両ごとの搭載条件に対応

三菱重工サーマルシステムズは、全電動輸送用冷凍機TEUシリーズの欧州販売を開始した。この製品では、製品群で初めてモジュール構造を採用している。

三菱重工サーマルシステムズによると、凝縮器・蒸発器・圧縮機をそれぞれ小型モジュールに分けることで、搭載条件が異なる電気自動車への設置に対応できるという。主要部品を分けた構成が、バッテリーなどの車両側の配置に合わせるための手段になる。

従来型TUシリーズ比で本体体積を約30%削減

小型化の比較対象は、従来型のトレーラー用冷凍機TUシリーズだ。この従来型は、車両エンジンとは別に冷凍機用の専用発電機を使うサブエンジン式である。

三菱重工サーマルシステムズによると、TEUシリーズはこの従来型に比べ、本体体積を約30%、重量を55%削減した。取り付けに必要な開口幅と開口面積もそれぞれ40%小さくなり、本体の大きさに加えて車両側の開口条件も変わった。

分岐冷媒の冷却と中間段への注入で冷凍能力を高める

小型の本体で冷凍能力を確保する機構が、Economizer Cycleだ。冷媒の一部を分岐させ、その冷媒で主流の冷媒を冷却した後、圧縮機の圧縮途中の中間段へ注入する。

三菱重工サーマルシステムズは、この冷媒経路によって冷凍能力を高め、TEUシリーズが小型でも大型トラックに適した能力を備えるとしている。搭載のために部品を小さく分ける構造と、冷凍能力を高める冷媒回路を組み合わせている。

複数の電源と荷室ごとの温度帯に対応

冷凍機への給電は、電気自動車のバッテリー、車載発電機、冷凍機専用バッテリーに対応する。電源の選択肢を持つことで、電気自動車を含むさまざまな車両に対応する構成となっている。

複数蒸発器を使う機種TEU1400MAでは、サイズの異なる4種類の蒸発器を、仕切られた荷室に設置する。各区画の温度帯を同時に調整でき、異なる温度帯の貨物を1台の車両で同時に輸送することができる。