大学の学務データや学生アンケートを横断分析する基盤が、東海大学とNECの実証で整った。教育・学生支援の課題に合わせてデータ定義、分析ロジック、可視化機能を一体化し、継続的な分析に使う構成を検証した。
教育・学生支援の4課題を分析指標へ落とし込む
分析の出発点は、大学が教育や学生支援で何を改善したいかという課題設定だった。東海大学と日本電気株式会社(NEC)は、教育・学修・大学運営の情報を分析する教学IRを対象に、データ利活用基盤の概念実証を共同で進め、2026年3月に完了した。
東海大学の経営層を含む関係者とNECは、ワークショップで4つの主要課題を具体化した。進路・キャリアの成果、学生行動と成果の対応、入学時要因と学習成果の関連、学生の成長に対する大学の教育価値を分析対象とし、目標と評価指標の関係をKGI/KPIツリーとして整理した。
日常の学務・調査データを分析モデルへ組み込む
実証には、大学が日常的に保有・活用する学務データ、学修力調査、学生アンケートなどを中心に用いた。これらの実データを扱うデータ利活用基盤にはMicrosoft Fabricを採用した。
設定した課題に合わせ、東海大学とNECは教学IRに必要なデータを整理・定義し、分析ロジックを開発した。さらに結果を把握するための可視化機能を実装し、データ定義から分析、可視化までを一体化した分析モデルを構築した。
横断分析から教育施策を検討する示唆を得る
NECによると、この実証によって、教学IRで従来は個別・断片的だったデータを横断分析できるようになった。課題とKPIを起点に分析することで、教育施策や学生支援の検討に活用可能な示唆が得られたという。
可視化した結果を共有し、検証を継続する
NECは、分析結果を可視化したことで、教職員間の共通理解や議論が促進されたとしている。データの分析と結果の共有を通じ、教学IRの検証を継続的に実施できる状態を構築したという。