Science

微細藻類でRNAから除く領域の7割超が通常の配列規則に従わない

この記事のポイント

  1. 実現したこと

    非標準イントロンが正しく除かれるかを、導入先の微細藻類がタンパク質を作れるかで判定できる。

  2. 実現の仕組み

    非標準イントロンの除去は、通常のGTとAGに代わる配列上の特徴を目印に進む。

  3. 得られた結果

    微細藻類Euglena agilisでは、イントロンの70%超が一般的なGT–AG規則に従わなかった。

  4. 従来との違い

    天然・人工の非標準イントロンを別種のユーグレナへ導入し、除去の規則を実験で調べた。

微細藻類の細胞を背景に、RNAから内部領域が切り出されて鎖がつながり、そのRNAからタンパク質ができる流れを示す編集イラスト。
AI生成画像

微細藻類Euglena agilisでは、RNAから不要な領域を除く際に、一般的な配列の目印とは異なる規則が広く使われている。天然・人工の配列を別種へ導入する実験で、この除去を導く配列上の特徴が明らかになった。

除去される領域の70%超がGT–AG規則から外れる

RNAから除かれるイントロンは、タンパク質を作るための処理で切り出される領域だ。一般的には、その両端にあるGTとAGという塩基配列の組み合わせが、除去位置の目印となる。

理化学研究所が主導した研究では、微細藻類Euglena agilisのイントロンの70%超が、このGT–AG規則に従わなかった。除去対象の大半が、一般的な目印とは異なる配列規則を使っている。

天然・人工のイントロンを別種へ導入する

この非標準的な除去の規則を調べるため、理化学研究所の持田恵一らは、天然の非標準イントロンと人工的に作ったものを用意した。これらを別種のユーグレナへ導入し、細胞内での処理を調べた。

タンパク質の生成を除去の判定に使う

導入したイントロンの処理は、遺伝子が通常コードするタンパク質を作れるかどうかで判定した。タンパク質が作られればイントロンが正しく除かれたと判断でき、作られなければ除去処理がうまく進まなかったことを示す。

GTとAGに代わる配列の目印を特定

この導入実験によって、GTとAGに代わって除去を導く配列上の特徴が明らかになった。非標準イントロンの処理にも、細胞が読み取る別の目印がある。

非標準イントロンが大半を占めるという結果は、Euglena agilisが一般的な処理系と並行して別のRNA処理系を持つ可能性を示唆する。実験で明らかになった配列規則と、処理系の併存という解釈は、確度を分けて捉える必要がある。