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量子ビットごとの接続を3本に絞って量子誤り訂正を実証

この記事のポイント

  1. 実現したこと

    超伝導量子ビットごとに使う接続を3本に絞った回路で、量子誤り訂正の動作を実証した。

  2. 実現の仕組み

    異なる回路構成を交互に使い、誤りの場所と時間を絞り込む検出領域の配置を周期的に切り替える。

  3. 得られた結果

    Googleの測定では、3本の接続を使う回路の符号距離を3から5へ増やすと、論理誤り率が2.15分の1になった。

  4. 従来との違い

    別の動的回路では、データ用と測定用に固定していた量子ビットの役割を周期的に交換し、全量子ビットを漏れリセットの対象にした。

超伝導量子ビットの格子を2つの訂正サイクルで重ねて示し、3本の結合器と時空間に広がる誤り検出領域を描いた編集イラスト。
AI生成画像

量子誤り訂正に使う接続を、量子ビットごとに4本から3本へ絞った動的回路が実証された。Googleの実験では、誤り検出領域の配置を周期的に切り替えることで、同じハードウェア上の従来の静的回路に匹敵する誤り訂正性能を得た。

誤りが起きた場所と時間を、動く検出領域で絞る

量子誤り訂正は、複数の物理量子ビットを組み合わせ、ノイズに強い論理量子ビットを構成する。誤りを検出する測定は、複数の量子ビットと複数の訂正サイクルにまたがる「誤り検出領域」を持ち、誤りが起きた可能性のある場所と時間を示す。

Googleが実証した動的な表面符号の回路は、異なる回路構成を交互に使う。これに伴い、サイクル終了時の検出領域の配置も2種類の間で切り替わり、重なり合う領域を使って誤りを絞り込む。

1本の結合器を再利用し、3本の接続で訂正する

超伝導量子プロセッサーのWillowは、各物理量子ビットを隣接する4個の量子ビットへつなぐ正方格子を採用している。六角格子向けの動的回路は、量子ビットごとに3本の結合器を使う2種類の訂正サイクルを持ち、どちらでも1本の結合器をサイクル内で2回使う。

この再利用によって、3本の接続で誤り検出領域を構成する。実験ではWillowの使用しない結合器を無効にし、正方格子の実機上で六角格子の接続条件を再現した。

符号距離3から5で論理誤り率が2.15分の1に

Googleの測定では、接続を3本に絞った回路の符号距離を3から5へ増やすと、論理誤り率が2.15分の1になった。この誤り訂正性能は、同じハードウェアで動作する従来の静的回路に匹敵した。

接続構成の違いは、量子ビットとゲートの周波数を選ぶ最適化にも影響する。Googleのシミュレーションでは、六角格子によって最適化が簡素化され、誤り抑制係数が正方格子より15%改善した。この15%は、接続を無効にした実機での測定とは別のシミュレーション結果である。

量子ビットの役割交換で、漏れのリセットを全体へ広げる

動的回路は、量子ビットの役割を切り替える用途にも使われた。超伝導量子ビットが計算に使わない高エネルギー状態へ移る「漏れ」は、相関した誤りを引き起こすことがある。従来のデータ量子ビット向け漏れ除去手法DQLRは、その対策として回路に追加のゲートを導入する。

役割を周期的に交換するwalking回路では、データ量子ビットが測定量子ビットの役割も担うため、測定用の漏れリセットを全量子ビットへ適用できる。訂正サイクルへのゲート追加は必要ない。Googleの測定では、標準回路で最大40サイクルにわたって残る検出器間の時間相関が1桁超低減し、DQLRを使う標準的な表面符号と同程度の抑制を示した。