水素航空機向けの軽量試作タンクが、液化水素の充填試験で高い断熱性能と、極低温下で気密性を保った貯蔵を示した。川崎重工業が開発するタンクは、魔法瓶タイプの真空二重殻構造を採用する。
内殻と外殻を組み合わせた軽量タンク
川崎重工業は、水素航空機の燃料を貯蔵するため、軽量かつ高断熱のタンク技術を開発している。タンクは内殻と外殻からなる真空二重殻構造を採用し、魔法瓶タイプの構成で断熱する。
直径約1.3mの試作モデルに液化水素を充填
この構造を用いた充填試験には、直径約1.3mの軽量液化水素燃料貯蔵タンク試作モデルを使用した。試験場所は、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の能代ロケット実験場で、秋田県に位置する。川崎重工業は、水素航空機向け燃料タンクへの液化水素充填試験として、国内で初めて成功したとしている。
断熱性能と極低温下の気密性を確認
川崎重工業によると、充填試験では、軽量タンクが真空二重殻軽量構造技術によって高い断熱性能を発揮した。液化水素の貯蔵についても、極低温下で高い気密性を維持しながら貯蔵できることを確認したという。今回の確認対象は、航空機向けに開発した試作タンクへの充填と貯蔵である。
燃料貯蔵とエンジンを2030年の地上実証へつなぐ
タンク開発は、水素航空機向けコア技術開発を構成する3項目の一つに当たる。ほかの2項目はエンジン燃焼器・システム技術開発と機体構造検討で、川崎重工業は2024年に小型航空エンジンを水素100%の燃料で運転する試験に成功したとしている。
個別に開発するコア技術を統合したシステムについては、2030年に地上実証試験を行う計画だ。地上実証では、統合システムとしての成立性と性能を評価する。