Semiconductor

1セル4ビットの組み込みメモリー、UFS 4.0対応品が量産開始

この記事のポイント

  1. 実現したこと

    新しい組み込みメモリーは、ホストとの通信初期化を高速モードで行うHS-LSSに対応する。

  2. 実現の仕組み

    コントローラー技術と誤り訂正の進歩により、性能を維持しながらQLCの高いビット密度を実現したとキオクシアは説明している。

  3. 得られた結果

    512GB品はキオクシアの試験で、連続読み出し最大4,200MB/s、連続書き込み最大3,200MB/sを示した。

  4. 従来との違い

    従来のTLC UFSよりビット密度が高いQLCを採用したUFS 4.0組み込みメモリーが、量産に入った。

基板上のホストプロセッサーと、制御回路および積層フラッシュ層を描いた組み込みメモリーパッケージが、双方向の矢印で結ばれた技術イラスト。
AI生成画像

1セルに4ビットを記録するQLCを採用した、512GBのUFS 4.0組み込みフラッシュメモリーが量産に入った。キオクシアは、コントローラー技術と誤り訂正の進歩によって、高いビット密度と競争力のある性能を両立したとしている。

QLCで記録密度を高めた512GB品

キオクシアは、QLCを採用した512GBのUFS 4.0組み込みフラッシュメモリーの量産を開始した。QLCは、1つのメモリーセルに4ビットを記録する技術である。

キオクシアによると、QLC UFSは従来のTLC UFSより高いビット密度を持つ。コントローラー技術と誤り訂正の進歩によって、競争力のある性能を維持しながら、この密度を実現したという。

メモリーと制御回路を標準パッケージに統合

新製品は、3DフラッシュメモリーのBiCS FLASHとコントローラーをJEDEC標準パッケージに統合している。ホストとの接続に使うUFSは全二重通信に対応し、ホストプロセッサーとメモリーデバイスの間で読み出しと書き込みを同時に行うことができる。

UFS 4.0は、通信技術のMIPI M-PHY 5.0とUniPro 2.0を採用する。理論上のインターフェース速度は1レーン当たり最大23.2Gbps、デバイス当たり最大46.4Gbpsとなる。

連続読み出し4,200MB/s、書き込み3,200MB/s

キオクシアの特定の試験環境で得た最良値では、512GB品の連続読み出し速度は最大4,200MB/s、連続書き込み速度は最大3,200MB/sだった。これらの速度は、使用する機器や読み書きするファイルのサイズによって変わる。

512GBという容量表記は、製品に搭載したメモリーチップの容量に基づく。管理領域やフォーマットなどに容量を使うため、利用者がデータ保存に使える容量は表記より少なくなる。

通信の初期化にも高速モードを使用

データ転送に先立つホストとデバイス間の通信初期化には、高速モードを使うHS-LSSが利用できる。従来方式が3~9MbpsのPWM-G1で初期化するのに対し、HS-LSSでは1,248MbpsのHS-G1 Rate Aを使うことができる。

従来方式のPWM-G1の速度は、接続するホストとデバイスによって異なる。キオクシアは、HS-LSSによって通信初期化時間が従来方式より約70%短縮すると見込んでいる。