Semiconductor

キオクシアの組み込みメモリー、512GB品のランダム書き込みが前世代比30%向上

この記事のポイント

  1. 実現したこと

    高速リンク初期化に対応するUFS 4.0組み込みメモリーで、256GB品と512GB品のサンプル出荷が始まった。

  2. 実現の仕組み

    HS-LSSは、ホストとメモリー間の通信を初期化する処理を1248Mbpsの高速モードで実行する。

  3. 得られた結果

    キオクシアの測定では、512GB品のランダム書き込み性能が前世代の同容量UFS 4.0品より30%向上した。

  4. 従来との違い

    新しいデバイスにはAdvanced RPMBとRPMB Purgeが搭載され、セキュリティデータの読み書きと安全な消去に対応した。

基板上でホストプロセッサーと接続された組み込みメモリーの模式的な断面図。1つのパッケージ内に積層状の3Dフラッシュとコントローラーを描いた手描き調イラスト。
AI生成画像

UFS 4.0規格の組み込みフラッシュメモリーが世代更新し、512GB品のランダム書き込み性能はキオクシアの測定で前世代比30%向上した。高速モードで通信を初期化するHS-LSSにも対応し、256GB品と512GB品のサンプル出荷が始まった。

同容量のUFS 4.0品で読み書き性能を比較

キオクシアは、新世代のUFS 4.0組み込みフラッシュメモリーで、256GB品と512GB品のサンプル出荷を5月に開始した。512GB品の性能比較では、前世代の512GB UFS 4.0品であるTHGJFJT2T85BAT0に対して、ランダム書き込みが30%、シーケンシャル書き込みが18%、ランダム読み出しが13%向上したとしている。

比較対象もUFS 4.0品であり、この数値は同じ規格に対応する製品間の世代更新による差を示す。公表された読み書き速度は特定の試験環境で得た最良値で、使用機器や読み書きするファイルサイズによって変わる。

3Dフラッシュとコントローラーを一つのパッケージへ

新しいデバイスは、3DフラッシュメモリーのBiCS FLASHとコントローラーをJEDEC標準パッケージに統合する。ホストとの接続には、UFS 4.0が採用するMIPI M-PHY 5.0とUniPro 2.0を使う。

このインターフェースの理論上の速度は、最大で1レーン当たり23.2Gbps、デバイス当たり46.4Gbpsとなる。これらは前節の読み書き性能の比較値とは異なるインターフェースの仕様値であり、UFS 4.0はUFS 3.1との後方互換性も持つ。

リンク初期化を1248Mbpsの高速モードで実行

ホストとデバイス間で通信を始める際には、M-PHYとUniProの初期化処理が必要になる。従来のUFSは、この処理をPWM-G1という低速モードで実行し、通信速度はホストとデバイスに応じて3~9Mbpsとなる。

新しいデバイスが対応するHS-LSSは、リンク初期化を高速モードのHS-G1 Rate Aで実行でき、その速度は1248Mbpsとなる。キオクシアは、この方式によって初期化時間を従来より約70%短縮できると見込んでいる。この短縮率は初期化時間についての見込みであり、読み書き性能の測定結果とは区別される。

認証情報の読み書きと安全な消去にも対応

新しいデバイスは、セキュリティデータを扱うRPMB領域向けにAdvanced RPMBを搭載する。キオクシアは、ユーザー認証情報など、この領域にあるデータへ、より高速に読み書きできるとしている。

不要になったデータの処理には、消去機能のRPMB Purgeを使う。キオクシアは、この機能によってデータを安全かつ迅速に消去できるとしている。