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隣の電子が量子ビットのエネルギーを変える現象を直接測定

この記事のポイント

  1. 実現したこと

    微小磁石を組み込んだ電子スピン量子ビットでは、電極電圧のわずかな変化で電子を制御できる。

  2. 実現の仕組み

    隣接する量子ドットの電子が動くと、その電子による電場が量子ビットのエネルギーを変える。

  3. 得られた結果

    測定されたエネルギー変化は、対処しなければ無視できない量子ビット誤り率を生む大きさだった。

  4. 従来との違い

    隣接する量子ドットに起因する電子スピン量子ビットのエネルギー変化が、初めて直接測定された。

金属電極で形成された隣接量子ドットの電子が移動し、その電場が微小磁石近くのスピン量子ビットのエネルギーに影響する様子を描いた概念イラスト。
AI生成画像

電子を閉じ込める量子ドットでは、隣の電子の移動が量子ビットのエネルギーを変え、保存された量子情報を乱す。微小磁石を備えた電子スピン量子ビットでこの変化を直接測定した結果、適切に対処しなければ無視できない誤りを生む大きさであることが分かった。

電場で閉じ込めた電子の量子状態を保つ

量子ドットは、数十ナノメートルほどの間隔で配置した金属電極の先端の電場を使い、電子などの荷電粒子を閉じ込める。電子を量子情報の担い手として使うには、その量子状態を長時間保つ必要があるが、外部からの干渉によって状態は壊れやすい。

微小磁石が小さな電圧変化での制御を可能にする

理化学研究所量子コンピュータ研究センターの小林孝らが構築した電子スピン量子ビットは、微小磁石を組み込んでいる。この磁石が電子の電場に対する感度を高めることで、量子ドットの電極に加える電圧をわずかに変えるだけで電子を制御できる。

隣接する電子によるエネルギー変化を捉える

電場への高い感度は、隣接する量子ドットの電子からも影響を受ける。隣の電子が微小磁石の磁場の中を動くと、その電子による電場が量子ビットのエネルギーを変え、量子情報を乱す。小林らは、このエネルギー変化を初めて直接測定した。

近接配置で強まる干渉は誤りに直結する

測定されたエネルギー変化は、適切に対処しなければ無視できない量子ビット誤り率を生む大きさだった。多数の量子ドットを近くに配置すると、干渉によって量子情報が乱される問題はさらに強まる。